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スマホで始める「音楽アプリ部」 第9回

「Metronome PRO」がとにかく素晴らしいのです

楽器を弾くのが趣味な人なら、必携のメトロノームアプリ

2013年08月11日 12時00分更新

文● コジマ/ASCII.jp編集部

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本物のメトロノームより便利?
多様なリズムをエディットできる

ただのメトロノームにあらず。複雑なリズムパターンも設定可能なのだ

5/4なんてパターンもお手の物である

 次は、前ページで紹介した3つの理由から、「2:機能が充実している」点について。本アプリのメトロノームは、錘をスライドさせると、テンポをペンデュラムステップで変更でき、30から416までテンポを設定できる。このメトロノームが持つリズムエンジンは非常に正確で、誤差はわずか0.1ミリ秒以内とのことだ。といっても、それだけなら普通のメトロノームと同じである。

 本アプリの強みは、まず単純なリズムだけではなく、4分、8分はもちろん、3連中抜き、2連裏打ちなどというリズムも設定できるところ。構成を編集すれば変拍子にも対応するので、プログレッシブ野郎も安心である。

 さらに、設定したテンポやリズムを記録しておけるのも魅力。作成したリズムはBluetoothやメールで共有することもできるので、バンド練習などにも役立つはずだ。

練習で使用するテンポやリズムを編集し、記録しておけるのが大きな魅力。記録したリズムをBluetoothやメールで共有することもできる

 他にも、ある楽曲を練習したいが、正確なテンポがよくわからないという場合、リズムに合わせて一定回数指で叩けば算出してくれる「Tap」機能などもある。「ミュージック」アプリなどで楽曲を再生し、それに合わせてタップすればいいというわけだ。

リズムに合わせて一定回数指で叩けば算出してくれる「Tap」機能

メトロノーム的なカチコチ音だけではなく、クリック音や、バスドラの音に変更することも可能

バックグラウンド再生に対応しているのが重要である
とにかく使い心地がいいのだ

 最後の理由、「3:バックグラウンド再生に対応している」。実は、これがあるとないとでは大違いなのだ。なぜなら、演奏の練習をする際に、iPhoneで調べものをするというのはよくある話。

 iPhoneはアプリによって、譜面台になり、歌詞カード(カンペとも言う)になり、メモになる。また、これまで当連載で紹介してきたような音楽アプリを使い、作曲のアイデアを膨らませることだってあるだろう。そこで、バックグラウンド再生が活きてくるのだ。様々なアプリを起動しながら、裏でしっかりリズムを刻んでくれるのが実にありがたい。

バックグラウンド再生ができるということが、地味ながらとても重要なことなのだ

 今回はバックグラウンド再生に注目したが、他にも実用的な機能は多い。たとえば、近接センサーによる手をかざしての動作開始/停止ができるのは、演奏中に手がふさがりがちなことを考えると実にうれしい機能だ。リズムの開始を「1拍後から」などに設定できるのも地味に便利。要するに、「3、2、1、ハイ」の余裕が作れるのである。メトロノームを動かした瞬間に「うわ始まった!」と慌てる必要がない。とにかく、かゆいところに手が届くメトロノームなのだ。

近接センサーによる手をかざしての動作開始/停止ができる、サウンド再生開始までの「待ち」が設定できるなど、至れり尽くせり

 ざっと解説してきたが、今回の「Metronome PRO」のようなアプリは、「アプリってあまり使わないんだよな」というバンドマンにこそ試してほしい。当連載は「スマホで始める音楽アプリ部」という名前だが、スマホで始めるといううたい文句は、スマホだけで音楽を完結させるという意味だけではもちろんない。今回紹介したように、アプリを使うことで、スマホが日頃の音楽活動の強い味方になる……ということもあるのだ。

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