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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 ― 第22回

3時間じゃ足らない! 米西海岸の体験型科学館を見る

2013年04月28日 12時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura

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4月17日に新装オープンした体験型科学博物館「Exploratrium」(エクスプロラトリウム)。発見と理解に大人も子供も好奇心を爆発させる

 米国では、ボストンマラソンでの爆発事件に端を発し、先週は少し暗い1週間を過ごしていました。5日で犯人の逮捕にこぎ着け、外出できない数日間を過ごしていたボストン市民は歓喜の声を上げていましたが、爆発や銃撃で人が亡くなっている悲惨な事件だけに、解決されたからといって歓声を上げている様子には、あまり共感できない気分でした。

 一方、4月19日にサンフランシスコ半島北岸のウォーターフロントエリアに、「Exploratrium」(エクスプロラトリウム)が移設オープンしました。エクスプロラトリウムは体験型の科学博物館。今回の引っ越しで増床して150の展示物を増やし、600以上ものさまざまな科学に関する体験ができる最新のスポットになりました。

市内からは路面電車が便利だが、港町を散歩するのも気持ちが良い

 あらかじめ行っておくと、筆者が過ごした3時間では、すべての展示物を見て回るだけでも足りませんでした。もし休みや仕事でサンフランシスコに来る機会があるのであれば、丸1日確保しておくことをおすすめします。あとでご紹介する、水辺の美しいレストランもありますので。

日本人の霧の作品が出迎える、博物館の意味

 エクスプロラトリウムの近くに行くと、深い霧がその場所だけ立ちこめているのですぐに分かります。サンフランシスコ名物の霧を人工的に発生させており、30分に1回、どんなに晴れていても“霧のサンフランシスコ”を楽しむ事ができます。この作品は日本の霧のアーティスト、中谷芙二子さんの作品。私が訪れた日は風が強く、霧が滞留せずに流れて行ってしまっていましたが、とても不思議な、そしてサンフランシスコの原風景を体験できました。

サンフランシスコ名物の霧を発生させる屋外展示は日本人アーティスト中谷芙二子さんの作品

 エクスプロラトリウムは、「原爆の父」として有名なロバート・オッペンハイマーの弟、フランク・オッペンハイマーによって創設されました。第二次世界大戦後、コロラド州南部での学校で行った科学の授業は、現在から見ても画期的な「体験型」「発見型」の科学教育のメソッドとして米国に拡がりを見せました。こうした科学教育の象徴的な博物館として生み出されたのが、サンフランシスコのエクスプロラトリウムです。

 体験や発見を重視する教育法の原動力としてオッペンハイマーが挙げていたのは「驚き」や「好奇心」を誘うことであり、展示物は見るだけでなく触って動かすことができ、またその体験や装置のデザインにも気を配らなければならない、という考え方がありました。エクスプロラトリウムに足を踏み入れると、大人ですらワクワクするたくさんの装置が並んでいて、1つ1つが小さな疑問を解決してくれるようデザインされていたのです。

人間の皮膚の感覚を試す装置。左は熱く、右は冷たい金属棒で、それぞれを触ってから常温の中央の棒を触ると、同じ温度なのに違った感覚を受ける

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