危うく引っかかりそうになった流れを再現
というわけで、まずは筆者が陥りそうになった状況を説明しよう。
見ていたサイトはオトナの事情で伏せるが、まぁエロサイトだ。江戸時代から続く、日本のヘンタイ文化を継承するべく励んでいるだけなので、読者諸氏はどの手のサイトかは気にしないでほしい。アダルト動画サイトでだまされるケースが急増しているそうで、「1万人が送金し、被害総額は6億円に達した」などという新聞報道を目にする機会も増えた。
さて、一見何の変哲もないアダルト動画配信サイト。メインとなる動画・画像にトラップがなくても安心してはいけない。ページのあちこちにある広告が危ないからだ。世の中にはアダルト向けのAd Networksというものがあり、個人でもクレジットカードを使って、低コストでカンタンに広告を出せてしまったりする。サイト自体の運営者ではなく、外部の人間が罠を仕掛けることも可能なのだ。
ここまで書けば、ピンとくる人もいるだろう。つまり広告枠にフィッシングやワンクリック詐欺サイトへのリンクを貼って、釣り上げるという手口が増えている。
さらにhtaファイルやapkファイルをダウンロードさせる手口も増加の一途。htaファイル、HTML Applicationを利用した手口が厄介で、広告でなくても「入口」などの下にものすごく小さい文字でクリックをした場合は「同意である」とか、料金情報などが掲載されており、クリック後に即実行されてしまうケースもある。
“アヤシイリンク”にはどんなものがあるだろう?
こういった怪しいリンクは基本、無視するに限る。といっても、初心者にとっては、“どこに何があるかわからない”不安な存在。そもそもそんなものを気にしていたら、楽しくインターネットができない。
さらにiPhoneでは、パソコン版のブラウザーに比べて、各種情報がわかりにくいので、インターネットに慣れたベテランであっても、うっかりと踏んでしまいやすい。前述の通り、誤タッチもあるが、URLの確認のしにくさもひっかかりやすいし、iPhoneはまだ大丈夫だろうという過信もあるハズ。
パソコンでは、別ドメインに飛ばされるなど、思いっきりURLが異なっていれば、自然と警戒心が高まる。画面サイズの小さなスマホの場合では、ドメインまでは見えても、その先のアドレスまでは分からないというケースも多い。
というか、スマホではほとんどURLを意識せずにブラウジングしているユーザーも少なくないのではないか。正直スマホの場合だと、筆者もその点はおざなりだ。
よく分かる・ネットの危険(2) 偽ソフトを使った詐欺も急増中
海外サイトをフラフラしていると、よく遭遇するのがセキュリティソフトのインストールを促すサイト。パソコンのブラウザーの場合は、クリックするとダウンロードが開始され「妙に自己主張の強いインストーラー」のお出ましになる。もしくは、問答無用でインストールが実行されたりもする。
ただしこれは、セキュリティソフトとしては偽物。感染していないウイルスの情報を意味ありげに警告して、ユーザーの不安を煽ったり、ただ延々と「ココに送金してクダサーイ! そうしないとこの画面は消えマセーン!」的なメッセージが流れ続けたりする。しかも、強制最前面で点滅処理をして、危険であるアピールを炸裂。もちろん、閉じようとしても即復帰するため、最終的に負けて送金してしまう……というもの。
当然だが、送金しても改善はされない。スマホの場合は偽セキュリティソフトよりも、アダルトサイトを見るためのアプリと偽っていることも多い。