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セルフポータルやREST APIも提供

サービスカタログで選ぶ!VMAXにCloud Edition登場

2013年03月21日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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3月19日、EMCジャパンはクラウドストレージ用のハイエンドストレージ「EMC Symmetrix VMAX Cloud Edition(以下、VMAX CE)」を発表した。マルチテナントやセルフサービスポータル対応などの特徴のほか、5種類のサービスレベルカタログをベースとした価格体系を用意する。

5段階のサービスカタログでオーダーする

 VMAX CEは、EMCのハイエンドストレージであるVMAXを用いて、クラウドを構築する企業やサービスプロバイダー向けの製品。従来のVMAXに比べ、サービスの拡大にあわせてリソースを柔軟に拡張できるほか、利用効率や既存システムとの連携という観点でも優れているという。

 こうした製品が登場した背景として、EMCジャパン システムズ・エンジニアリング本部の竹内博史氏はストレージのクラウドサービスであるStorage-as-a-Serviceを実現するための課題を挙げた。

EMCジャパン システムズ・エンジニアリング本部 プロダクト・ソリューション部 マネージャ 竹内 博史氏

 まず、インフラへの投資とサービスの売り上げがアンバランスであることだ。従来のストレージでは、増設コンポーネントのコストが異なるため、サービスの売り上げや利益率に応じた投資が難しい。また、リソースの共有に関しても、分割・専有してしまうと、利用効率が落ち、すべてのリソースを共有すると、顧客ごとのサービスレベルを保てない。さらに、サービスとして提供するにあたっては、セルフサービスのためのインターフェイスを開発しなければならない。

 今回、発表されたVMAX VEはマルチテナントに対応するほか、拡張を容易にする価格体系の導入、セルフサービスポータル、REST API対応などを実現している。

 VMAX CEでもっとも特徴的なのは、価格モデルだ。従来のように筐体やディスク、ソフトウェアなどのコンポーネント単位ではなく、5段階(ブロンズ、シルバー、ゴールド、プラチナ、ダイヤモンド)のサービスカタログ単位で提供する。ユーザーは価格やパフォーマンス、チャンクと呼ばれる容量に基づき、ビルディングブロック単位で組み合わせることができる。サービスレベルはI/Oパフォーマンス観点で定義されており、これを満たすため、自動階層化管理機能である「FAST VP」を組み合わせて提供される。ポリシー設定やフラッシュやSAS HDD、SATA HDDの配分はEMCのエンジニアが設計・検証済みのものをあらかじめ盛り込むという。

ビルディングブロックでサービスを提供する

 また、マルチテナント、ロールベースの管理機能を備えたサービスポータルをEMC側で用意する。アプライアンスをユーザー拠点に設置することで、VMAX CEの構成変更、使用率などの情報を収集し、VPN経由でEMC側に送信する。そのため、管理ポータルをすぐに利用できるというメリットがあるが、Webインターフェイスなどは外販用にカスタマイズすることも可能になっている。また、REST APIを用いて、プロビジョニングやストレージ管理、レポーティング、課金管理などが行なえ、顧客独自のサービス管理インフラやクラウドオーケストレーターと連携できるという。

 VMAX CEではスターター・キット・モデルが用意されており、容量47.3TBでブロンズ、シルバーの2つのサービスレベルを構成した際の価格が1935万5400円(税別)となる。

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