16~17日にかけて、岡山県美作市の岡山国際サーキットでSUPER GTの公式合同テストが行なわれた。岡山国際サーキットのファン感謝デーも同時に開催されたため、テストとは思えないほどのファンが大勢駆けつけた。
もちろん、我らが初音ミクZ4も参戦。開幕戦に向けて着々と準備を進めていた。今回のテストと3月上旬に開催されたタイヤテストと違うのはSUPER GTのオフィシャルテストであるということ、そしてファンのみなさんも観戦できるイベントということで、ほぼすべてのエントラントが出場したこともあり、さながらレースウィークのようなにぎわいであった。
GSR&Studie with TeamUKYOとしては、本国ドイツよりエンジニアのブルグリン氏を招聘して電子制御系のセットアップを見てもらい、マシンも2013年モデルへのアップデートがほぼ終わったこともあり、1~2日目を通して常に上位のタイムを叩き出していた。なお、4回のテスト走行におけるベストタイムは以下のとおり。
- 1回目:1'28.571(29/51LAP GT300 3位)
- 2回目:1'28.678(36/67LAP GT300 1位)
- 3回目:1'28.531(41/47LAP GT300 4位)
- 4回目:1'29.054(17/71LAP GT300 4位)
昨年の岡山でのベストタイムより2秒近く速くなっているのだが、この理由は一体なんなのか? もしかして2013年バージョンはかなりイケてるんじゃないのか? 谷口選手と片岡選手に話を聞くと……。
「最高速は相変わらず厳しいです。ただ、ギヤ比が変わって岡山のようなコーナリング系のサーキットとの相性が良くなったのかも。例えば今まで2速か3速かで迷っていたコーナーが、3速で行けちゃったり。そのかわり、ストレートが長いコースでレブに当たらないか心配。」
2013年モデルは駆動系や排気系、そしてミラーが変更になったとのことだが、一番の恩恵はギアレシオの変更のようだ。ドライバーの2人の説明を補足すると、トランスミッションのギア比にはローギアード(クロス)、ハイギアード(ワイド)という設定があり、簡単に言うとそれぞれ加速重視、最高速重視でお互いに相反する存在なのである。加速を犠牲にして最高速が出るようにするか、最高速はいいからとにかく加速を重視するのか、サーキットの特性に合わせてセッティングを変更する。今回、ミクZ4はクロス寄りのセッティングになったらしく、ギアチェンジを頻繁にするコーナーの多いサーキットでは有利だが、富士スピードウェイのような直線が長いサーキットだと、ストレートエンド前に最高速に達してしまうかも、という状況のようだ。JAF戦も含めると富士は3回もあるので、その辺が心配ではある。
テストがすべて終了したあとに、大橋監督に振り返ってもらったところ、
「アップデートをギリギリ間に合わせてテストをしたんですけど、今年はますますライバルたちのレベルが上がっているな、というのを感じました。クルマだけでなく、チームとしてのパッケージングもです。JAF勢も高いレベルで淡々と周回してるし、FIA-GT3車両もポンポンいいタイムを出していた。そんな中でも4号車が上位にいられたのは、タイヤもよかったしアップデートも効果があったということでしょうね。シーズン前の立ち位置としては悪くはない結果だと思います」
とコメントしてくれた。これは開幕から期待できそうだ。
月末のタイヤテストが終われば4月6~7日にかけて、再びココ、岡山国際サーキットで2013年シーズンの戦いの火ぶたが切って落とされる。王座奪還を目指す戦いがあと少しで始まるのだ。ぜひ、みんなの応援でZ4を後押ししてほしい。
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