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4Kはレンダリングが大変──わかむらPが語るボカロ映像制作

2013年03月14日 18時00分更新

文● 広田稔(@kawauso3

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4枚の液晶ディスプレーなど豪華な制作環境

 トークライブ終了後のインタビューでは、ASCII.jpの読者やMMDer(MMDの制作者)が興味を持ちそうな映像制作環境について深く聞いてみた。


── わかむらさんはMMD以外にどんなソフトを使ってますか?

 CG制作用の「CINEMA 4D」(C4D)と、素材を合わせて仕上げる「Adobe After Effects」(AE)ですね。まずMMDで作ったファイルをフリーウェアの「MMD2AE」でAEに持っていって、さらにAdobeのプラグインでC4Dに書き出す。そこでCG素材を作ってさらにAEに戻してフィニッシュ。すべて同じカメラ位置の情報で作業できるようになってます。「効率厨」なので、最短距離で作業できる方法を常に模索しているんですよ。


── しかし4Kサイズの映像を書き出すのに2日って大変でしたね。どんなスペックのマシンを使っています?

 AE用のメインマシンは自作で、CPUがCore i7-980、メモリーが48GB、グラフィックボードがGeForce 660Tiです。ボトルネックになっているのはHDDで、非圧縮の素材だとデータ容量が大きすぎて読み出しが追いつかないんです。MPEG-4とかに圧縮すれば、4K解像度でもいけるんですけどね。


── RAIDを組むとか……って4Kの仕事がメインじゃないから投資するのも難しいですね。

 そうなんです。だから基本はフルHDに縮めて書き出してチェックしています。このときは1920×1200ドットの液晶を縦にしたものを4枚並べて作業していたので、1画面あたりの横が1200ドットしかない。なのでそのフルHDでさえ縮小表示することになります。


── しかし液晶4枚ってスゴいですね。なぜ縦なんですか?

 今は4枚目を15インチの液晶タブレットに変えちゃったんですけどね。縦にすると高さが1920ドット使えるのがメリットなんです。AEではレイヤーを300、400枚とか重ねるので、横の液晶だとレイヤーパレットの縦がせまくなって、すごくすごくいっぱいスクロールしないと目当てのものまでたどり着けないから面倒くさいんです。でも縦1920ドットあれば、最初から3分の1ぐらい表示されているので効率がいい。

 今は中央の2画面の下にレイヤーパレットを貫通させて、常時50枚ぐらいは表示してます。左上には映像、右上にはエフェクトパネルや、MMDやC4Dへのリンクパネル、プレビュー用の再生ボタンなどを置く感じです。

液晶ディスプレー縦2枚分を使ったAEの作業画面のキャプチャー。レイヤーが3分の2以上を閉めていることが分かる


── まさに「効率厨」ですね!

 効率厨ですよ。で、一番左側のディスプレーでは2ちゃんねるブラウザーが開いていて、「ニュー速+」と「ニュース極東」を見ています。


── ちょ(笑)

 あと土日限定なんですが、右側のディスプレーでは、「IPAT」(競馬の馬券購入システム)と競馬番組の「グリーンチャンネル」が表示されている。あ、左側のディスプレーで競馬板が開いてることもあります。

図で描くとこんな感じ

── 競馬がお好きなんですか(笑)。

 ええ。わかむらPとしてのイメージを意識するなら、「可愛いミクの壁紙が張ってあります(キリリッ」って言うべきなんですけどね(笑)。ちなみにストレージは内蔵HDDが8台、さらにOS用のSSDと、外付けの「裸族のお立ち台」にバックアップ用のHDDが2台の合計11台。バックアップがいっぱいになると、引っこ抜いて冷蔵庫の中にしまっておく。


── 冷蔵庫!?

 湿気を避けるためです。もう中に20台ぐらい入ってます。動画って非圧縮のPVだと1本80~90GBぐらいで、作業途中のファイルを入れると500GBになることも多いんですよね。

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