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企業の間接費支払い業務全般を網羅

システム化のホワイトスペースを埋める「コンカー インボイス」

2013年02月27日 09時00分更新

文● 渡邊利和

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2月26日、コンカーは同社が提供するクラウド型出張・経費管理サービス「コンカー」の新サービスとして「コンカー インボイス」日本語版の提供開始を発表した。すでに提供済みの「コンカー エクスペンス」と併せ、企業が処理すべき間接費支払い業務全般をカバーし、従来「システム化のホワイトスペース」となっていた部分を効率化/透明化するという。

間接費すべてを受け止める

 新たに提供開始された「コンカー インボイス」は、名称からも分かる通り、請求書支払いに対応する。従来提供されていた「コンカー エクスペンス」は、交通費精算などにみられる従業員立て替え払いの精算に対応したもので、今回のコンカー インボイスの提供開始によって一般従業員が不定期に支払いを行なう間接費の精算システムが完成する形になる。

コンカー 代表取締役 三村 真宗氏

 説明を行なった同社の代表取締役の三村 真宗氏は、まず「直接費」と「間接費」からなる企業の支出に対し、コンカーがどの部分をカバーするかを明確にした。事業に直接関わる材料費や人件費といった直接費には、「多額、規則的、所轄部門で発生、利用者は各部門の“プロユーザー”」といったシステム化向きの特徴があることから以前からシステム化が行なわれており、特に「データセントリックなERPが得意とする分野」だという。このため、すでに多くの企業でこの部分の処理はERPで行なわれている。

 一方で従業員による立替払いが多い交通費や出張旅費、会議費・交際費等の少額支出は、一回の金額は少額だが件数が多く、不規則に発生する上に担当者は一般従業員となる。請求書払いの間接費も同様で、オフィス備品や水道光熱費、会社請求となる出張旅費などが該当する。これらの精算処理は、一般ユーザーにとっての使いやすさが重要で、財務/経理処理に長けた特定の“プロユーザー”向けのシステムと同様には処理できない。また、領収書や書式がバラバラな請求書との突き合わせが必要など、システム化しにくい要素も多い。このため、ERP等では対応しにくいこともあって「システム化のホワイトスペース」(三村氏)となっていたという。

三村氏による、コンカーとERPの棲み分け

 コンカーは、従来のコンカー エクスペンスに続いてコンカー インボイスの提供を開始することでこの領域をクラウドプラットフォームでカバーした。この結果、ERPとコンカーの組み合わせで企業が必要とする支払い処理を網羅することができるというわけだ。

今後は出張処理までカバー

 コンカー インボイスは、エクスペンスと同様に“入力の徹底的な省力化”と“ガバナンスの強化”を特徴とする。請求書の取り込みには、CSVアップロードのほか、スキャンデータの読み込みや入力作業のアウトソーシングサービスなども用意される。ただし、現時点ではOCR読み込みやアウトソーシングは日本語文字には未対応。OCRに関しては年内の対応が予定されるが、アウトソーシングサービスの漢字対応時期は未定となっている。

 また、企業ごとの経費規定をルール化しておき、入力時点でリアルタイムで自動チェックする機能や承認ワークフローの設定、分析レポートの作成といった機能はエクスペンスと同様に提供される。また、モバイルデバイスへの対応を重視している点も同様で、承認作業などは外出先や移動時などの空き時間を利用して効率的に処理できる。

 三村氏は、国内での本格的なサービス開始から1年足らずの間に順調に成長してきた実績を紹介するとともに、日本国内のユーザー企業が求める機能を「日本発の機能拡張」として10項目追加したことも明らかにし、もともと米国流の処理を行なっている外資企業だけでなく、国内企業のニーズにも着実に応えているとした。

 また、今後の予定として、米国等ではコンカーの中心的なサービスとなっている出張支援機能である「出張管理(ホテル/航空券予約)」「旅程管理(Tripit)」「従業員リスク管理(Locate&Alert)」を年内に順次リリースする計画であることを明らかにした。これにより、精算処理だけでなく、出張に関わる処理全般をカバーできるようになる。

今後の製品リリース計画の概要

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