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松村太郎の「西海岸から見る"it"トレンド」 第14回

Macworld/iWorld 2013の変化とアクセサリーのワイヤレス化

2013年02月08日 12時00分更新

文● 松村太郎(@taromatsumura

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Macworld/iWorld 2013で見つけた、ちょっと変なモノ。アーチェリーの弓にiPhoneを装着し、右手人差し指でワイヤーを引っ張ることてで、iPhoneの画面をタッチできるアクセサリーだ(?)

 東京からサンフランシスコに帰ってきて、翌日時差ぼけの目をこすりながら行ったのが、Apple系の大規模展示会「Macworld/iWorld 2013」です。Apple本体は参加しなくなり、目玉を失ったMacworldが「iWorld」というフレーズを付記し始めて2度目のイベントとなります。ここで見つけた面白いモノをご紹介していきます。

テクノロジー企業の大規模イベント離れ?

 これから扱おうという話題に対してやや後ろ向きな意見かもしれませんが、テクノロジー企業にとっての大規模なイベントはやや魅力を薄めているように感じています。

 様々な起業が一堂に会し、最新のテクノロジーや製品を披露する場として注目を集め、たくさんのニュースがひしめき合い、「トレンド」を作り出す場でもありました。世界的に見れば、1月にラスベガスで行われるConsumer Electric Show(CES)に続いて、Macworld。2月にはスペイン・バルセロナで開かれるモバイルの祭典「Mobile World Congress」も控えています。

 しかし、「Macworld」とMacの名前を冠に起きながら、Appleが参加しなくなってしまうなど、テクノロジー企業の大規模イベント離れも見受けられます。特にAppleは、独自のタイミングで、独自に選んだメディアや記者を集めてイベントを開催し、それ以外は米国を始め世界中に整備しつつあるApple Storeで見てくれ、というスタンスを強化しています。これにより、多数の情報に紛れて自社の情報が埋もれることを防ぎ、新製品発表の効果を最大化しようとしていると言えるでしょう。

 もっとも、Appleの場合、現在の状況を考えれば、彼らの発表が外的要因で水泡に帰すことはなさそうですが、他の企業にとっては脅威かもしれません。Appleの突然の発表と、念入りに企画してきたプレスイベントのタイミングが重なってしまったら、ぞっとしますよね。

 Appleとは理由は違うものの、スタートアップや規模の小さな企業にとっても、大規模イベント離れは進んでいるようです。ひとつには、ニュースを伝える手段の多様化。メディアも、大手メディアや通信社だけでなく、ブロガーやそこから発展したブログメディアの影響力も大きくなってきました。

 さらに独自のウェブサイト、YouTubeなどの動画、Ustreamなどの生放送、そしてFacebookやTwitterといったソーシャルメディアなど、セルフメディアによる手段が多様化しています。特にスタートアップの場合、イベントへの出展で数十万円以上のコストをかけるのであれば、他のより効果的な手段を何回も試す方が良いのかもしれません。

 しかしAppleやGoogle、Facebookにとって、以前イベントを開いてコミュニケーションを取っている相手がいます。それは開発者です。Appleは毎年6月にWorldwide Developers Confference(WWDC)を開催しますし、Google I/OやFacebookのイベントなど、自社のアプリやプラットホームなどのエコシステムを盛り立ててくれる開発者を大切にする傾向が見えるのです。

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