ディーアンドエムホールディングスのマランツブランドから、創業60周年を記念したネットワークオーディオプレーヤー「NA-11S1」が発表された。2月下旬発売予定で、希望小売価格は34万6500円。
192kHz/24bit対応のD/Aコンバーター「DSD1792A」を採用し、192kHz/24bitのWAV、FLACと、96kHz/24bitのApple Lossless、48kHzのMP3、WMA、AACの再生に対応。DLNA 1.5に対応しギャップレス再生が可能なほか、AirPlayやインターネットラジオの利用も可能となっている。
さらに本体にはUSB端子を搭載し、USB DACとしても機能する。PC接続時はDSD(2.8224MHz)の再生も可能だ。
ネットプレーヤーだからこそ
外部機器のノイズ対策が重要
機能を羅列するといわゆるネットワークプレーヤーであるが、60周年モデルということで開発には力が入っている。その意味合いについて、同社CEエンジニアリング設計本部マランツ音質担当マネージャーの澤田龍一氏によれば、「ダウンロードミュージックとはどういうものなのか、マランツとして形にしたもの」だという。
同氏によれば、「ハイレゾの額面通りの音質が出るものがなかなかなかった」とのことで、その最大の理由は「外部機器からのノイズ」だという。
本機の外観はSACDプレーヤー「SA-11S3」とよく似ているが、SACDプレーヤーは内部(光学ドライブ)に音源があるのに対し、ネットワークプレーヤーは常に外部に音源がある。
このため、この外部音源のノイズを本機でいかにカットするかがもっとも重要な点だと言う。
特にPCとの(USB B端子)接続に関しては、音源をレシーバーICに取り込んだ後、医療機器などで使われているデジタルアイソレーターでシャットアウト。8素子18回路という数のアイソレーターを駆使してアースも電気的に絶縁し、直流的なコネクションをなくしたという。
これにより「ほとんど理論値に近い」ノイズレベルを実現し、澤田氏いわく「やっと納得の行くソリューションができた」とのことだ。
また、メモリーストレージ音源(USB A)とEthernetについても、ジッターリムーバ によりジッターを低減。さらにクロック回路にはジッターレベルを約10分の1に低減できる超低位相雑音クリスタルを採用。44.1kHz用と48kHz用の2つのクリスタルを搭載することで、最適なクロック動作が可能になっている。