元旦からスタートした、Jawbone UP習慣
現在、米国のApple Storeの店内でだんだん勢力を拡げ始めたのがウェアラブルデバイスです。つまり、身につけて役割を発揮してくれるものです。スマートフォンも常にポケットに入っていますが、リストバンドや万歩計のようなスタイルで、より軽く、高精度のセンサーを内蔵するなどして、様々な役割を果たしてくれます。
たとえば、iPodの時代からAppleと協業してきたNikeは、「Nike+」ブランドで運動量を計測するデバイスを出しており、靴底にセンサーを埋め込むアイディアなどを試してきました。そのNikeの最新デバイスが「Nike Fuel」です。Bluetoothを内蔵した加速度計のリストバンドで、「Fuel」というNike独自の運動量の数値を目標に設定して、1日のワークアウトやFuelを計測、iPhoneやパソコンと同期をして確認できます。同種のデバイスにFitBitなどもあります。
しかし筆者は、数あるデバイスからJawbone UPを選びました。UPは2011年末に米国で発売されましたが、うまく動作しないデバイスが大量に発生し、返金に応じた経緯がありました。製品の見直しと膨大な時間のテストを経て、2012年末に再び市場に戻ってきた経緯があります。2013年は国際展開を目指しているようです。
こちらもシンプルなデザインの防水型リストバンドで、加速度計とバイブレーター、バッテリーを内蔵しますが、これを選んだ理由は睡眠を計測できることです。デバイスに唯一あるボタンを長押しすると、睡眠モードに入り、睡眠の時間と眠りについたかどうか、そして深さを計測してくれるのです。
寝る前に本を読んだり動画を見たりしてから寝たりしますが、驚くことに、そうした行動まで記録されているのです。そして、浅い眠り、深い眠りの長さや周期などを把握するため、起床時間近くの浅い眠りのタイミングで、リストバンドが振動して、すっきり目覚めることができる機能を搭載しているのです。筆者はこれで、完全に早起きになりました。
UPはiPhoneアプリが用意されており、Jawbone UPの一端のキャップを外して、イヤホンジャックに差し込むと、リストバンドのデータを同期してくれます。BluetoothやWi-Fiでの同期の方がスマートに見えますが、ペアリングが上手くいかなかったり、電池の持ちが悪くなるなどの問題があります。UPは10日間電池が持続し、アプリと同期する際に残量も確認できるため、面倒くさくないところが気に入りました。
アプリでは、リストバンドではさすがに計測できない、食事の記録を付けることもできます。写真を撮って食べ物の名前を入力すると、平均的なカロリーを選ぶことができます。喫茶店でカフェラテを飲んだら、標準カロリーを記録しておけるということです。また、シリアルなどのパッケージされた食べ物の場合、バーコードを読み取らせれば1人分のカロリーを自動的に入力してくれます。
そして、これらの収集したデータは、すべてアプリ内でグラフ化して表示してくれて、同期した瞬間に自分の今日の1日はどうであったか、ということを理解することができます。グラフィカルに理解できる点も、続ける楽しさを演出してくれます。
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