タブレット側が搭載するディスプレーは、IPS液晶パネルを使った11.6型/1366×768ドットのタッチパネルディスプレーである。ドック側にはタッチパッドもあるので、タッチとパッドのどちらでも操作できる。Windows 8はデスクトップモードでもタッチで操作しやすいように作られているが、従来型のアプリや細かい操作には、やはり使い慣れたタッチパッドやマウスが欲しくなるので、タッチパッドは必須装備だろう。
インターフェース類は少なめ
タブレットにもUSBが欲しい
ENVY x2はインターフェース類をキーボードドック側に集中して、タブレット側は極力シンプルにするというコンセプトのようだ。本体側にはフルサイズのHDMI出力とUSB 2.0×2、メモリーカードスロット(SD/SDHC/SDXC/MMC対応)が装備されている。タブレット側はmicro SDカードスロットのみとなっている。タブレット側にもmicroタイプでいいから、USBポートがひとつ欲しかった。
タブレットの四辺のうち、上部と左右は斜めに薄くなるようデザインされているため、これらの三辺には端子類をおけない。そのため下側だけにmicro SDカードスロットなどがあるのだが、これらはドッキング状態では隠れてしまうのも少々残念だ。
フルHD動画再生でも意外に快適
バッテリー駆動時間はさすが
ENVY x2のCPUは、冒頭で述べたとおりAtom Z2760(1.8GHz)。けっして早いCPUではない。とは言っても、動作周波数の向上といったCPU自体の改善やSSD化により、一昔前の「なにをやっても遅い」Atom搭載ネットブックと比べれば、快適さには雲泥の差がある。それにはWindows 8自体の軽量化と高速化も寄与しているのだろう。電源オフ状態でも、電源スイッチを入れてから10秒程度でWindows 8へのログオンが可能になる。ウェブブラウザーやWindowsストアアプリを使っていても、遅いと思うことはまずない。ARMプロセッサー搭載のタブレットが対抗機と考えれば、Atomはすでに十分な性能に達している。
性能以上に気になるのが、バッテリー駆動時間。公称値は驚異的だが実力はどうだろう? バッテリーベンチマークツール「BBench」を使い、ウェブアクセス時とビデオ再生時のバッテリー駆動時間を計測してみた。本体側の電源プランは、標準の「バランス」設定をそのまま使い、自動スリープのみをオフにして残り5%でシャットダウンする状態で計測した。ビデオ再生時は、1080pのAVCHD動画を、デスクトップモードのWindows Media Playerでループ再生させている。
結果はグラフのとおりで、公称値の半分程度の駆動時間となった。ドッキング状態をメインで使うと考えれば、かなり優秀と言える。ビデオ再生時のバッテリー駆動時間が、ウェブアクセス時と1時間程度しか変わらないのも驚いた。太平洋を横断する旅客機内で使っても、飛んでいる最中目一杯にビデオを見られるくらいだ。ちなみにENVY x2のバランス設定は、ディスプレーバックライトの輝度が高めなので、設定を変えればさらに長くなるだろう。
Coreプロセッサー搭載のノートなら、これ以上のバッテリー駆動時間を誇る製品もないわけでないが、そうした製品は概して高価だ。その点ENVY x2は7万円未満から購入できる。バッテリー駆動時間の長いサブノートを、なるべく安く手に入れたいという向きには最適だろう。
Clover Trail搭載のタブレット/ノートはいずれも売れ行き好調で、受注から発送まで時間がかかる製品、発売がまだ先の製品もある。Clover Trailノートを買おうかと考えている方は、ENVY x2も選択肢に含めてはいかがだろうか。
HP ENVY x2の主な仕様 | |
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CPU | Atom Z2760(1.8GHz) |
メモリー | 2GB |
グラフィックス | CPU内蔵 |
ディスプレー | 11.6型ワイド 1366×768ドット |
ストレージ | SSD 64GB |
無線通信機能 | IEEE 802.11a/b/g/n、Bluetooth 4.0 |
インターフェース | 本体:micro SDカードスロット、ヘッドホン/マイク兼用端子 ドック側:USB 2.0×2、2in1メディアスロット、HDMI出力など |
サイズ(合体状態) | 幅303×奥行き206×高さ17~19mm |
質量 | 本体:約710g、合体状態:約1.41kg |
バッテリー駆動時間 | 本体:約10時間45分、合体状態:約19時間 |
OS | Windows 8 32bit |
価格 | 6万9930円から(直販価格) |