このページの本文へ

前へ 1 2 3 次へ

前田知洋の“タネも仕掛けもあるデザインハック” ― 第7回

今も猛威をふるう詐欺、じつは400年前にもあった!?

2012年12月21日 09時00分更新

文● 前田知洋

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

どうしたら、自分で被害をさけられるか?

 「被害をどうしたら減らせるか」という外部の取り組み、行政や金融機関による対応は多くおこなわれている。たとえば、関係各所によるパンフレットやポスターの作成、金融機関などで口頭で「振り込め詐欺ではありませんか?」と尋ねられることも多くなった。

 もちろん、そうした第三者による水際での防止も有効といえる。しかし、手口が変わり、被害が拡大している状況では、まず自分自身が騙されないようにするのが大切。筆者が詐欺に遭わないために守っているルールをいくつか紹介する。

ルール1 身元確認は、こちらから代表番号にかける

 振り込め詐欺も含め、筆者の仕事でも企業名詐称などによる取引の未払いなどが想定できる。どんな場合でも、初めて取引する場合は企業の代表番号に電話をかけ、担当部署→担当者というプロセスで担当者が連絡をとる。振り込め詐欺の電話は受けたことはないが、もしあれば、相手が「携帯を落とした/番号が変わった」と言われても、勤め先→本人、もしくは家族→本人に確認することになるだろう。

ルール2 偶然は想像するより重ならない

 「風邪を引いて声がかれる」、「携帯をなくし、なおかつ以前の番号を移行しない」、そのタイミングで「交通事故を起こす/会社のお金を横領する」、そんな偶然がすべて同時に起きる確率は想像するよりずっと低い。

 ちょっと乱暴に計算してみる。国立感染症研究所によると日本全国でインフルエンザ発症者が一週間あたり5000人ほど出ると「大流行」といわれるので、一年中大流行しているとして……、5000人×52週間/1億2800万人(日本の人口)=約0.002。

 携帯電話の遺失物の届け出が12万7000件ほどなので、届けられない電話が同じ数だけあるとして2倍にして25万4000台。25万4000台(紛失台数)/1億2805万台(加入台数)=約0.002。

 振り込め詐欺のストーリーが「人身事故」だった場合は、全国の交通事故発生件数69万2000件なので、69万2000件(交通事故の発生件数)/4800万台(国内自動車登録台数)=0.0144。

 すべてが同時に起きる確率は、0.002×0.002×0.0144=0.0000000576

 年末ジャンボ宝くじの1等4億円が当たる確率が0.0000001(1/1000万)ですから、あなたの家族が「風邪で声がかれて、携帯電話をなくして、人身事故をおこした」と電話をかけてくる確率は「宝くじで4億円当たる」よりずっと可能性が少ないことになる。

ルール3 お金で隠せることは無い

 「今日〇〇円払えば会社にバレない」「すぐに〇〇円払えば刑務所に入らずにすむ」ということはほぼ皆無。傷害罪などの示談金は相手に払うことに、裁判官の心証をよくして実刑を免れることもあるが、それは刑事事件などで判決が出るときの話。お金で事件そのモノが消えてしまうわけではないことを知っておきましょう。

 示談金を払えば被害届を出さないという約束は、自分が信頼する弁護士などが仲介や覚書が必要。電話で成立することは、ほぼないと言っていいはず。

 詐欺で騙されると経済的な損失だけでなく、精神的にもつらいはず。騙されていいのはマジックだけで……。

参考/インフルエンザ発症数:国立感染研究所発表、携帯電話遺失物届数:平成23年警視庁発表、携帯電話加入者数:平成24年12月総務省発表、交通事故発生件数:平成23年度警視庁発表、国内自動車登録数(2輪を含む)平成24年9月(財)自動車検査登録情報会発表

前田知洋(まえだ ともひろ)

 東京電機大学卒。卒業論文は人工知能(エキスパートシステム)。少人数の観客に対して至近距離で演じる“クロースアップ・マジシャン”の一人者。プライムタイムの特別番組をはじめ、100以上のテレビ番組やTVCMに出演。LVMH(モエ ヘネシー・ルイヴィトン)グループ企業から、ブランド・アンバサダーに任命されたほか、歴代の総理大臣をはじめ、各国大使、財界人にマジックを披露。海外での出演も多く、英国チャールズ皇太子もメンバーである The Magic Circle Londonのゴールドスターメンバー。

 著書に『知的な距離感』(かんき出版)、『人を動かす魔法のことば』(日本実業社出版)、『新入社員に贈る一冊』(共著、日本経団連出版)ほかがある。現在、(株)ビジスパからメルマガ「Magical Branding-セルフブランド活用法-」を配信中。

■関連サイト

前へ 1 2 3 次へ

カテゴリートップへ

この連載の記事
最新記事
最新記事

ASCII.jp ビジネスヘッドライン

アスキー・ビジネスセレクション

ピックアップ