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通信量急増でEricssonが分析する携帯事業者の課題と対策

2012年12月11日 14時30分更新

文● 末岡洋子

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重要なキーワードは相互運用性

 だが、テレコム業界はこれまで動きが遅く、まずはローンチして走りながらサービスを修正するWebベンチャー企業に先を越されてきた。すでに普及しているSkype、Facebookなどに対抗する上で、RCSは回答となるのか?

 CTOのEwaldsson氏は「相互運用性が切り札になる」と述べる。電話番号だけでメッセージサービスができるSMSは相互運用性により離陸した。オペレーター、さらには国を超えた通信を実現するRCSが普及するチャンスは充分にあると見る。

 端末側はどうか? 「端末が魅力的であることは、(成功の)重要な要素」とLantoo氏。3Gが登場した当初期待されたビデオ通話はほとんど使われなかったが、その理由は端末にあったと見ている。だが今回は期待できるという。

 もともとはEricssonの子会社である半導体メーカーのST-EricssonでCTOを務めるなど、端末側の事情に明るいLantoo氏は、「大手端末メーカーはどこも\最重要課題にユーザー体験を掲げている。VoLTEではユーザー体験を大きく改善できる」「タブレットなどの端末は、充分な体験を提供するのに必要なコーデックと解像度を持つ」と楽観した。

 Lantto氏はまた、開発者とWeb業界向けの取り組みにも触れた。開発者向けではRCSの機能を利用できるようにし、開発された新しいWebサービスをオペレーターが提供するサービスに組み込めるようにする。Web向けとしては、MozillaやGoogleなどのブラウザベンダーと協力して標準化を進めているブラウザー向けのマルチメディアフレームワークWebRTCを紹介した。WebRTCにより、ハードウェアを問わずブラウザが利用できる環境でリッチコミュニケーションが実現すれば、普及に弾みが付くだろうとLantto氏は述べた。

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