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日本マイクロソフト エヴァンジェリスト 渡辺友太氏インタビュー

ゼロから学ぼう 本家が教えるWindows 8用アプリ開発A to Z

2012年12月14日 18時00分更新

文● 広田 稔 写真●曽根田元

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「画面デザインは審査要件に入っていません。より使いやすい、より見映えがいいものが登場することを期待しています」(渡辺氏)。今後はウェブデザイナーなど他職種ならではのセンスが重要になるかも。参入するなら今しかない!

画面デザインは、新しいインターフェース強制ではない

── じつはアスキー・メディアワークスでも、時計機能付きの電撃文庫目録『電撃文庫もくろっく for Windows 8』をリリースしています。元々は「Adobe Air」で作ったものですが、それとほぼ同じものをJavaScriptで開発してWindows 8用アプリとして公開しました。そのときに気になったのは、作らなければいけない画面が多かったことと、デザインを合わせるという点でした。

渡辺 「日本の開発者は真面目なので、アプリのデザインを新しいインターフェースに合わせないと審査に通らないと思われてる方々も多いと聞いています。しかし、画面デザインに関しては『こうしたほうがいいですよ』という指針があるだけで、審査の要件には入っていません

 もちろん回転させたときにデザインが崩れたりするとリジェクトされますが、他OSから移植する場合など、そっくりそのままガイドラインに準拠しなくても審査は通ります。デザインについては我々から強制はできないので、市場が使いやすいものを自然と選ぶという感じです。iPhoneアプリのときもそうでしたよね。

 せっかくJavaScript+HTML5でアプリを作れるのに、現状では四角の角を丸めるような簡単なアイデアも試されていません。まだ開始直後ということもあり、冒険せずきっちり準拠したアプリが目立ちますが、今後は自由な発想で作ったアプリが増えていくと思います」

―― 一方で、『プログラムは得意だけど、デザインは自信がない』という人は、いっそのことガイドライン通りに作ったほうがいい結果を生むかもしれませんね。

渡辺 「それはおっしゃる通りかもしれません(笑)」

―― プラットフォームとして新しいので、デザイナーもディレクターもいろいろ試しがいがあると思います。

渡辺 「Windows 8は、全画面表示の“イマーシブ(immersive/没入感)”を重視しているので、大きな画像を使ったりして一目で楽しさが伝わってくるようなアプリが出てくるといいですよね。

 ガイドラインのドキュメント(Windows ストアアプリの構築方法を学ぶ)は結構細かくて、本当にゼロから作れるよう、アプリのアイデア出しの方法から始まっています。デザインにしても、iOSやウェブアプリから変換するときにどうすればいいかまで書いてあります。

 一度目を通しておくと、開発がすごく楽になると思いますよ。それがユーザーの使いやすさにつながれば、自然とダウンロード数も増えて、結局、自分に返ってくるはずです」

「ドキュメントやマンツーマンでの対面相談をはじめ、開発に必要な環境はほぼ日本語で完結します。本職ではない方々も、まずはドキュメント『Windows ストアアプリの構築方法を学ぶ』を読んでみて、何かピンと来るものがあったら気軽にチャレンジしてみてください」(渡辺)

―― アイデアを考えて、その上でPDFのドキュメントを読んで、いろいろなアプリをダウンロードして調べる。その上で実際のコーディングに入ると、競合のさらに上を行けるいいアプリができるんじゃないかと感じました。

渡辺 「最初は非常にシンプルなものを作って、あとでどれだけ広げられるのかチャレンジすることをオススメします。最初から機能が豊富で、画面変遷が多いものを想定して作ると作業が大変になりますからね。ぜひWindows ストアアプリの開発を体験してみてください」

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