米連邦巡回控訴裁判所は10月11日、カリフォルニア州北部地方裁判所が6月に下したSamsungの「GALAXY NEXUS」に対する販売差し止め仮処分(関連記事)について「破棄差し戻し」と下した。GALAXY NEXUSに対する販売差し止め仮処分は、一審を担当した判事の「決定権の濫用にあたる」と理由を示している。
GALAXY NEXUSの仮処分は、Appleのユニバーサル検索(米特許番号8,086,604)についての特許を侵害しているとしてカリフォルニア州地裁のLucy Koh判事が6月に下した。
Samsungはこれを受け、控訴と同時に本判決までこの仮処分保留を申し出たが、この訴えは却下された。7月に入り、控訴裁は仮処分執行保留を求めるSamsungの申請を認めたため、販売が差し止められたのは実質的には数日間だった。また、8月末に下った評決では、GALAXY NEXUSは含まれていなかった。
控訴裁は今回、GALAXY NEXUSが特許を侵害しているとする証拠が不十分であるなどのSamsungの主張を支持し、Koh判事が決定権を濫用したとして、仮処分の解除を言い渡した。これにより、この件は一審に戻って再度審理されることになる。
GALAXY Nexusは2011年秋に発表された端末で、最新端末ではないため市場への影響は大きくなさそうだ。だが、Reutersによると、今回の控訴裁の事例により、訴訟を通じて競合製品の販売差し止め処分を獲得することが今後厳しくなるのではないかという専門家は見ているようだ。また、販売差し止めを求めるAppleにとっては、10月初めに解除された「GALAXY Tab 10.1」に次ぐ、販売差し止め令の解除となった。