最新パーツ性能チェック 第133回

「GTX 650 Ti」はRadeonが得意とする価格帯にどう切り込むか？

GTX560Tiとの性能差は？

　最初に定番ベンチ「3DMark11」のスコアーで全体の性能を把握してみよう。PerfomanceとExtremeで1回ずつ計測している。

3DMark 11(単位：score)　better→

　スコアー比を単純に性能比と考えれば、GTX650TiはGTX660と650の中間というようりも、ややGTX660寄りということになる。GTX460はおろかGTX560Tiとほぼ同等のスコアーになっているが、実はこのような結果になったのは3DMark11だけだ。

　次にDX11対応のもう1つの重量級ベンチ「Unigine Heaven 3.0」の結果もチェックしよう。テストはテッセレーション「Extreme」、異方性フィルタリングおよびアンチエイリアスは最大、解像度は1920×1080ドットに設定した。

Unigine Heaven 3.0(単位：fps)　better→

　このテストではGTX650TiはGTX560Tiよりも微妙に下の性能になっている。さすがにOC版であっても1年前の2グレード上のGPUをひっくり返せる程のスペックではない、ということだ。
　GTX650TiのSP数はGTX560Tiの2倍だが、反面メモリーバス幅は半分であることを考えると、GTX650Tiはメモリー帯域を消費するような状況に弱いということになる。

BF3でギリギリ30fpsに届きそうな性能

　次は1920×1080ドットで実ゲームがどれだけ動くか評価してみよう。最初は最高画質に設定した「Battlefield 3」だ。「Fraps」で4面最初のシークエンス表示時のフレームレートを計測している。

Battlefield 3 最高画質/1920×1080ドット(単位：fps)　better→

　GTX650TiがわずかにGTX560Tiに及ばなかったのはHeaven3.0と同じ。それでもGTX650Tiは最低29fpsに到達しているため、ちょっと条件を緩くすれば30fpsキープは余裕だ。GTX670などを使っているなら残念な性能と思うかもしれないが、1万円台中盤のビデオカードでここまで遊べる日が来た、というのはちょっとした感動だ。

　単純な製品価格ではHD7770の方が優れているが、HD7770は重いシーンで息切れしやすく、フルHDで遊ぶにはさらに設定を落とす必要がある。予算はかけたくないがフルHDで画質を可能な限り高く、という人にはGTX650Tiはかなり良い選択だ。