ずっと昔からなくなりそうで、なくならないのがキーボード入力だ。人が初めてコンピューターという、情報を蓄積・管理できる夢のハードウエアに接した時の最初のインターフェースが、キーボードだったからだろうか。コンピューターがネットと融合した現代も、その概念や人の意識は大きく変わっていない。
時代を経て、すでにハードウエアキーボードのない情報ツールや、特殊な目的特化型キーボードを搭載する機器も多く存在する。だが、ソフトウエアキーボードを含むすべてのキーボード文化が、世の中からすっかりと姿を消すには、まだかなり時間がかかりそうだ。
これは昨今流行のタブレット機器をみても分かるだろう。企画者の意図や商品コンセプトがどうであれ、ハードウエアキーボードのないタブレットには、物理的なハードウエアキーボードを取り付けたいと願うユーザーが実在する。確実に需要のあるキーボードを提供する周辺機器メーカーが、多数あるのは当然のことだ。
そんな代表格のプロダクトはすでに3世代目に入ったiPadだろう。筆者はiPad専用と謳われているハードウエアキーボードを、すでに10台近く衝動買いしてきた。iPadを企画者の意図とは関係なく、旧来のパソコンのような入力比率の高いツールとして使うなら、堅牢で長くタイピングしていても疲れの出ないキーボードが必要だろう。
しかし、ブラウジングと指先のポインティングによる操作指示やネット巡回を主たる使い道だと考えるなら、ハードウエアキーボードは不要で、時折画面に出てくる人の指先にとっては、タクタイル感(押した感)のまったくない硬い液晶画面を叩くソフトウエアキーボードでも十分だろう。
製品企画者の意図とは関係なく、多くのユーザーはどれか1台のハードウエアで、自分の情報生活は何もかもすべて上手く行くようにしたいと考えて、足りない点は、それを補助的周辺機器で実現しようと考えるものだ。残念ながら現在のクライアント機器は、それ1台で何もかもが上手くゆくほど洗練、充実した機構やユーザーインターフェースは持ち合わせていない。
iPadにパソコンと同様のタフなキー入力環境を求めても、そればかりは商品企画や商品コンセプトとの距離が離れすぎていて所詮無理であることを、鈍い筆者は約10台のハードウエアキーボードを買い、使ってからやっと気づいた次第だ(例えば8個目はコレ)。
「戦略的衝動買い」とは?
そもそも「衝動買い」という行動に「戦略」があるとは思えないが、多くの場合、人は衝動買いの理由を後付けで探す必要性に迫られることも多い。
それは時に同居人に対する論理的な言い訳探しだったり、自分自身に対する説得工作であることもある。このコラムでは、筆者が思わず買ってしまったピンからキリまでの商品を読者の方々にご紹介し、読者の早まった行動を抑制したり、時には火に油を注ぐ結果になれば幸いである(連載目次はこちら)。
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