濃霧に包まれたオートポリス決勝
霧だけでなく悪い流れも払いたいが……
台風が心配されたオートポリス決勝日。暴風雨などの危険はなかったが、濃霧という静かなマモノがサーキットを襲った。朝から一般道ですら数メートル先が見えない状態で、当然サーキットでもそれは同じ。朝のフリー走行は数周走っただけでディレイになり、11時から再開が予定されていたものの、まったく霧が晴れずにフリー走行自体が中止になってしまうという事態になってしまった。
しかし、お昼をすぎたあたりから気温も上がり、霧も晴れてきたため、決勝レースはオンタイムで進行することが決まった。ウォームアップ走行が事実上の練習走行となった。そのため、短い限られた時間しか走ることができず、オートポリス初走行の佐々木選手は中止になる前にフリー走行で5周走っただけ、という状況下で決勝に挑むことになってしまう。
波乱の決勝のスタートドライバーはミクZ4が谷口選手、Mirai Z4は番場選手が担当することになった。霧は晴れてきたものの、雨が止む気配がない。ただ土砂降りではないので、チームはインターミディエイト(浅溝)のタイヤを選択した。大橋監督によれば、最初谷口選手はスリックを主張したそうだが、天候と路面状況を考えてインターミディエイトにしたとのこと。
レースはセーフティーカーの先導が2周あり、その後スタートとなった。サーキットの所々で水が溜まっている箇所もあり、雨もパラパラという悪条件の中、1周目でミクZ4は10位に、そしてMirai Z4は17位へジャンプアップした。
数周でポイントリーダーである#33 ハンコックポルシェに追いつくも、抜きにくいことで有名なオートポリス、そして直線が速いポルシェということもあり、なかなか抜けないまま膠着状態になる。しかもハンコックのドライバーはベテランの影山選手である。ブレーキング勝負で、ミクZ4が一瞬飛び出してしまうこともあったくらい激しいバトルだった。そこに、追いついてきたのが、#61 スバルBRZとそれをドライブする山野選手。影山、谷口、山野という超S級ドライバー3人のバトルが数周に渡って繰り広げられた。これには見ている側も白熱! テールトゥーノーズ、サイドバイサイドだったが、クラッシュや露骨なブロックもなく、終始クリーンなファイトだった。
また、このときハンコックは8位、ミクZ4は9位だったが、ハンコックはベースが上がっておらず、抜けないとどんどん前との差が開いてしまうという状況。この膠着状況を打破したいところだが……。すると、10周をすぎたあたりで#52 LEON SLSがコースアウトしてクラッシュ。セーフティーカーが導入された。これで、前との差が詰まった。また、上位を走っていたSLSが戦線離脱したことで順位がひとつ上がり、ミクZ4は8位に、#43 ARTA ガライヤを抜いて16位になっていたMirai Z4は15位になった。
車両の回収に時間がかかり、セーフティーカーがピットに戻ったのは17周目。ここからレースが再開された。
再開後の周でハンコックは前を走っていた#11 ゲイナー R8を抜き6位に、そのままミクZ4とゲイナー R8のバトルになったが、谷口選手が田中選手を下して7位にアップ。ハンコックはなんと5位を走っていた#911 タイサンポルシェも抜き去ってしまう。その後、4位を走っていた#87 JLOC ランボルギーニがマシントラブルのため、コースアウトしてストップ。ハンコックは難なく4位に上ってしまった。
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