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アダマンタイマイの背中に城!?

スクウェア・エニックス最強のカードゲームの話を聞いてきた

2012年09月10日 18時00分更新

文● 電撃オンライン編集部

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2012年はブラゲ元年になる!? ブラウザゲームの進化と未来

――これは素朴な疑問なんですが、ここまで本格的なゲームを作るのなら、ブラウザゲームじゃなくてもよかったと思うのですが?

 理由は簡単で、PCでオンラインゲームを作るにあたって、実はブラウザゲームと専用データを利用するゲームって、そこまで表現力に差がないんですよ。もちろん、ハイスペックを突き詰めればキリがないんですが、普通にゲームを遊ぶ感覚なら、ブラウザゲームでも十分な表現力があります。

 最近はフル3Dのブラウザゲームも出てきているので、『モンスタードラゴン』のグラフィックは地味に見えるかもしれません。実は『モンスタードラゴン』もフル3Dで作れたかもしれませんが、見やすさやプレイ感覚を考えて、あえて今ぐらいのバランスにしました。

 もう1つの大きな理由として、やっぱりインストール作業ってめんどうくさいんですよね。これはデータでも実証されていますが、たとえば同じゲームの体験版があり、片方はダウンロードしてインストールするタイプ、もう片方はブラウザソフト上でそのまま遊べるブラウザゲームタイプで提供した場合、圧倒的に後者(ブラウザゲーム)のほうがプレイヤー数が多くなるんですよ。

――たしかに、わざわざダウンロードしてインストールするのは手間がかかります……。

 あと、これはちょっとマニアックな話になっちゃいますけど、ランキングの表示やステータスの表示など、一部のインターフェースについては、専用のプログラムを組むよりも、ブラウザの基本システムを利用するほうが使いやすい部分があります。なんでもかんでも専用プログラムにするより、長所を生かすほうが効率的という例ですが、さすがにちょっと専門的すぎるかもしれませんね(笑)。

――なるほど。ブラウザゲーム自体が、ある種のプラットフォームになりうるということですね。ちなみに、この1~2年で本格的なブラウザゲームが一気に増えてきた印象があるのですが、何がきっかけだったのでしょうか?

 日本の場合、mixiアプリで大ヒットした『サンシャイン牧場』や、ゲーム内の武将カードを明確に“販売アイテム”としてビジネスを成立させた『ブラウザ三国志』が大きなターニングポイントだった気がします。“ブラウザで動くオンラインゲーム”は昔からたくさんありましたが、きちんとしたビジネスとして確立し始めたのは最近になってからですよね。

 ブラウザゲーム自体の表現力が飛躍的に進化していることに加えて、ビジネスとして成立するようになった環境面も大きいと思います。そろそろブラゲ(ブラウザゲーム)の歴史的にも、さらなる大きな節目がやってくるんじゃないかと感じています。

――遊ぶ側としても、ブラウザゲームの本格化を肌で感じられるようになってきました。今年や来年あたりは、“ブラゲ元年”と呼ばれる記念的な年になるかもしれませんね。

 少し昔の話になりますが、『トラビアン』という、国を育成するオンラインブラウザゲームにめちゃくちゃはまっていました。当時のブラウザゲームはまだまだ非同期のプレイが多くて、データをエントリーして遊ぶタイプが基本だったんですけど、『トラビアン』は擬似的にリアルタイムで同時プレイをしているように感じさせる部分があって、すごかったですね。  オンラインゲームにおいて“人がいる空気”を感じられることはすごく大事で、それがプレイヤーのモチベーションになります。これを実現できた『トラビアン』は、自分にとっては本当にエポックメイキングだったと思います。

――『モンスタードラゴン』も100人同時対戦や本格的なカードゲーム要素など、いろいろな要素が詰まったエポックメイキングなゲームになっていると思います。たしかにここ最近、なんだか「ブラゲ、始まったな!」とか「ブラゲの時代が来たかも?」と感じることが多いので、ブラウザゲームに対するアンテナをしっかり立てておこうかと。

 その一方で、まだまだ“ブラウザゲーム”という色眼鏡で見られることもあります。インストールするタイプのゲームとブラウザゲームの垣根は本当になくなってきているので、『モンスタードラゴン』をプレイして、それを実感してもらえるとうれしいですね。

▲普通のパッケージゲームと同じ感覚で、かつ手軽に遊べるブラウザゲーム。特に『モンスタードラゴン』は力が入っているので、対戦型SLG好きやカードゲーム好きは注目してほしい。

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