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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” ― 第263回

デジタル化でよみがえる、36年前の猫写真

2012年07月27日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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仲良くソファで寝ている「かふか」と「大五郎」(2011年1月 ソニー NEX-5)
仲良くソファで寝ている「かふか」と「大五郎」(2011年1月 ソニー NEX-5)

 夏なので昔話でもします。

 1976年の正月。なんと36年前の話。バブルよりずっと前のまだまだ貧乏だった時代。

 小学生だった私はどうしても自分のカメラがほしくて、なけなしのお年玉を握りしめて友だちを付き合わせて買いに行ったのである。

 そして手にしたのが、当時流行っていた110フィルムを使ったコダックのポケットカメラ。詳しくは覚えてないけど、それが最初に手にした自分のカメラ。

 突然昔話をはじめたのは、先日、古い段ボールの古いアルバムに、カメラを手にしてはじめて撮った写真を発見したからである。

 その最初に撮った写真が、猫だったのである。自分でもびっくり。

36年前に飼っていた猫。近所の屋根の上に上ってるところを撮ったものらしい。当時のプリントなのでディテールはもやけてるけれども、しょうがないですな(1976年1月 プリントをエプソン EP-902Aでスキャン)
36年前に飼っていた猫。近所の屋根の上に上ってるところを撮ったものらしい。当時のプリントなのでディテールはもやけてるけれども、しょうがないですな(1976年1月 プリントをエプソン EP-902Aでスキャン)

 110フィルムを使ったパンフォーカスカメラな上、36年前のプリントをエプソンの複合機のスキャナーで読み取ったものなので画質的にはかなり劣るけれども、それでもこうしてスキャンすればデジカメで撮った写真を同じようにデジタルデータとして扱えるってのは面白い。

 通学路沿いに段ボールに捨てられていたのを後先考えずに拾って帰ったのがきっかけで飼い始めたのだ。名前は「ニャン吉」という。たぶん、ど根性ガエルの「ぴょん吉」が元ネタ。

 普通に放し飼いしてたので、しょっちゅうその辺の屋根に上ったり、柿の木に登って降りれなくなって近所のおじさんに助けてもらったり、何かとお騒がせだったのだけど、すごいのは車で置き去り事件。

車のボンネットにのっかってたところを撮影。当時は放し飼いが当たり前だったので近所を遊び回ってた。車も70年代ですな(1976年1月 プリントをエプソンEP-902Aでスキャン)
車のボンネットにのっかってたところを撮影。当時は放し飼いが当たり前だったので近所を遊び回ってた。車も70年代ですな(1976年1月 プリントをエプソンEP-902Aでスキャン)

 日曜日、両親が用事で出かけるというので、留守番したくない私はついていったのですな。そのとき猫も一緒に車に乗ってきたのである。

 で、用事を済ませて帰ってくると、車の中に猫がいない。車を止めたときするっと外に出てそのまま置き去りにしちゃったらしい。あわてて探しに行こうというが、うちの親はアバウトなので、今日は暗くなったから来週にしようと悠長なことをいうのである。

 そして翌週、前週と同じ場所へ行き、同じ場所に車を止めると、すぐ横の塀の上にちょこんと座って待っていたのだった。すごいよ猫。でも後ろ足に大きな怪我があったので、1週間生き延びるのに苦労したようである。

 今思えば乱暴にもほどがあるんだけど、猫なんてそんな扱いだったんだよなあ、あの頃は。

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