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夏ボで買いたい! 最新Ultrabookレビュー 第2回

8万円でも充実した仕様が魅力のUltrabook IdeaPad U310

2012年07月10日 12時00分更新

文● 小西利明/ASCII.jp編集部

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バッテリー駆動時間はカタログ値の8割程度
発熱は低めで扱いやすい

 バッテリー駆動時間も計測してみた。U310の公称バッテリー駆動時間は約6.2時間。UX21Aの5.1時間よりはマシだが、7~8時間台を売りにするモバイルユースに適したUltrabookには劣る。実際の動作時間を調べてみよう。

 UX21Aでのテストと同様に、バッテリー駆動時間テストツール「BBench」を使用して、2種類の設定でテストを行なった。U310とS3-2は、「バッテリー切れ」のしきい値の最小値が「5%」なので、両機種とも残量5%でバッテリー切れとして計測した。

バッテリー駆動時間の計測結果

 結果はこちらもU310とS3-2でほぼ同等。省電力時で30分弱の差が付いている程度であった。公称値と省電力時を比較すると、おおむね公称値の8割程度は稼働することになる。5時間というのはバッテリーだけで丸1日使うには物足りないので、モバイルユースを中心とする人には微妙だろう。バッテリーチェックツール「YbInfo」で調べたバッテリー容量は、50971mWh(設計時51260mWh)であった。

 なお、同じレノボ製品でもビジネス向けのThinkPadシリーズには、「省電力マネージャー」という独自の電力設定ツールが導入されている。コンシューマー向けのIdeaPadであるU310に省電力マネージャーはないが、その代わりに独自の電力設定ツール「Energy Management」が導入されている。機能面では簡素化されているが、バッテリー自体の寿命を伸ばす「バッテリー保護モード」(60%で充電を止める)や、アイコンでの電力モード切り替えなどが可能となっている。この種の設定ができないUltrabookは多いので、Energy Managementの搭載は好意的に評価できる。

独自の電力設定ツール「Energy Management」。ThinkPadに比べると簡素だが、評価できる機能だ

 最後にボディー各部の発熱について、放射温度計を使用して計測した。測定条件はUX21Aでのテストと同様で、結果は下のグラフのとおり。

各部の温度計測結果。室温は24度

 温度自体はアイドル時、フルパワー時のどちらも、U310とS3-2で似たような傾向を示した。排気口のある左側面よりのキーボード左側は高めだが、キーの上では36~37度程度までなので、ちょっと気になる程度で済むだろうか。底面の温度も低めで、膝上で使っても熱はあまり気にならないだろう。

 U310をスペックや性能面から見ると、13型級のUltrabookとしては重めの方で、性能にも特筆すべき点がない凡庸なマシンに見える。しかし、これが8万円で買えるとなると話は変わる。インターネット上で検索すると、7万円を切る価格で販売している販売店もあるようだ。特筆すべき点はないとはいえ、逆に言えば性能で大きく見劣りするところもないのだから、この価格は非常にコストパフォーマンスが高い。

 高い性能や優れたモビリティーは要求しないが、家庭での使用や家族の使う用途で、あるいは学校で使う軽めで安いノートパソコンが欲しい。U310はそうした用途にお勧めできるUltrabookと言えよう。

IdeaPad U310 の主な仕様
CPU Core i5-3317U(1.70GHz)
メモリー 4GB
グラフィックス CPU内蔵
ディスプレー 13.3型 1366×768ドット
ストレージ HDD 500GB+SSD 32GB
無線通信機能 IEEE 802.11b/g/n、Bluetooth 4.0
インターフェース USB 3.0×2、USB 2.0×1、HDMI出力、有線LAN(10/100BASE-TX)など
サイズ 幅333×奥行き225×高さ18mm
質量 約1.68kg
バッテリー駆動時間 約6.2時間
OS Windows 7 Home Premium SP1 64bit版
価格(直販価格) オープンプライス(8万850円)

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