本体幅には余裕があるので、キーボードのサイズも余裕がある。キータッチは例によって軽いが、前回レビューした「UX21A」よりも若干だがしっかりしたタッチに感じた。英数キーや各機能キーのサイズもおおむね均一で、小さすぎて入力が困難なキーはない。多少気になるのは、Enterキーの右側にEndキーやPgUpキーが並ぶ、海外メーカー製ノートでよく見かけるキー配列の方だ。この種のキー配列に慣れていないと、使い始めは戸惑うかもしれない。なお、キーボードバックライトはない。
本体とACアダプター以外の付属品は特にない。ACアダプターは小型だが、UX21Aほど小型化を重視したものではない。本体質量も約1.68kgと、13型級Ultrabookとしては重めだ。モバイルユースに十分なサイズと重さではあるが、軽量や携帯性を追求した製品とは方向性が異なるのは理解しておく必要があるし、その分安いとも言える。
HDD+SSDのUltrabookの性能やいかに?
先述のとおり、U310はストレージに500GB HDDと32GB SSDを組み合わせて使用している。搭載HDDは回転速度5400rpm、SATA 3Gbps対応のごく普通のノート用HDDで、特筆した性能は持たない。SSDだけでストレージを構成するUltrabookと比べて、その性能はいかほどなのだろうか。各種ベンチマークにより検証してみた。比較対象には第1回と同様に、第1世代Ultrabookの日本エイサー「Aspire S3-951」(以下S3-2)を使用している。
まずはWindows 7標準の「Windowsエクスペリエンスインデックス」を見てみよう。
「プロセッサ」と「メモリー」は同一で、「グラフィックス」はU310が若干上回る。逆に「ゲーム用グラフィックス」では、0.1だがS3-2の方が上という結果になった。CPUや内蔵GPUの動作周波数は同一なので、ゲーム用グラフィックスがわずかに低いのは誤差だろうか。とはいえ、おおむねSandy Bridge世代と総合成績は変わらない。大きく違うのは「プライマリハードディスク」で、U310はHDDの上限値である「5.9」に留まっている。
パソコンの総合性能を計測するベンチマークプログラム「PCMark 7」のスコア比較は以下のとおり。総合値は両者ほぼ拮抗しているが、ストレージ性能が問われるテストの多い「Lightweight」や「Creativity」「System Storage」は、SSD 256GB搭載のS3-2が優れている。一方、CPUや内蔵GPUの性能が問われる「Entertainment」「Computation」では、GPU性能が優秀なU310に軍配が上がる。エンタメ系の用途には、GPU性能が向上したU310の方が快適と言えそうだ。
「HDD+SSD」と「SSDのみ」のパソコンでストレージ性能を比較するのは野暮に思えるが、ベンチマークソフト「CrystalDiskMark 3.0.1」を使用して、ストレージ性能計測した(3回測定の平均値、小数第1位以下四捨五入)。結果は以下のグラフのとおり。SSDキャッシュが効くのかリードはいずれもそれなりに優秀な成績だが、書き込みはSSDのS3-2と比較にならない。コンテンツ制作用途などでなければ、HDD書き込み性能を重要視することも多くはないだろうから、Ultrabookの要点である起動や復帰の高速性が担保されていれば十分、ということだろうか。
ちなみに「CrystalDiskInfo 5.0.0」によると、試用したU310の搭載HDDとSSDは、以下のようになっている。HDDはシーゲイト製の7mm厚500GB HDDの「ST500LT012」シリーズを、SSDにはサムスン電子製のmSATA対応SSD「MZMPC032HBCD」を採用していた。
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