バッテリー駆動時間と並ぶAMD A/Eシリーズの強みとしてAMDが掲げているのが、内蔵GPUを利用したメディアアプリケーションの高性能化「HD Media Accelerator」である。同様の機能はインテルもSandy Bridge以降で「Quick Sync Video」として導入しているが、AMDはこの分野で先行することで、対応アプリケーションの幅広さをアピールしていた。ビデオデコードの高速化は当たり前で、ファイル圧縮ソフトの高速化、さらにはビデオ再生の高品質化などにも応用できるという。
AMDでは、バッテリー性能とGPUを含めた総合性能の高さを武器に、Ultrabookクラス(AMDはUltrathinsと呼称)の薄型ノートパソコンへの採用も働きかけていく。価格も600ドルクラスをターゲットとするなど、1000ドル以上も多いインテルCPUのUltrabookに比べると、かなり安価に作れそうだ。
AMD Aシリーズでも合体タブレットが登場
今回の発表会の主役ではないが、Windows 8とタッチパネル搭載ノートへの取り組みも紹介された。ASUSTeKの合体タブレットと同様に、COMPALが開発したキーボードドックと合体するタブレットの試作機を、AMDが披露した。クアッドコアAPU搭載とのことなので、TDP 25WのA10-4655Mあたりを搭載しているのだろうか。
試作機はASUSTeKの製品に比べると、ややタブレット部分の厚みが大きいようにも思えたが、価格性能比次第では魅力的な製品になるかもしれない。Windows 8時代のタブレットにも、AMDのAPUは対応可能であることを証明してみせたわけで、インテル製品との今後の競争に期待したい。
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