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管理者不在で災害対策に悩むSMBに最適な新バージョン

最短3クリックで完了!GUIが刷新されたBackup Exec 2012

2012年03月15日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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3月14日、シマンテックは企業向けバックアップソフトの最新バージョン「Symantec Backup Exec 2012」の発表会を行なった。ユーザーインターフェイスの刷新を中心に、仮想化対応やリカバリ機能の強化を図り、専任管理者のいない企業でのバックアップ導入の敷居を低くする狙いがある。

とにかくシンプルな使い勝手を実現

 Symantec Backup ExecはSMB(Small & Medium Business)や中堅中小企業での利用を想定したバックアップソフトで、エンタープライズ向けの「NetBackup」とともに同社の主力製品となっている。新バージョンの製品戦略について、米シマンテック 情報管理グループ プロダクトマネジメント担当バイスプレジデント アミット・ワリア氏が説明した。

米シマンテック 情報管理グループ プロダクトマネジメント担当バイスプレジデント アミット・ワリア氏

 まず、ワリア氏は情報保護の重要性がかつてないほど高まっているにも関わらず、データ量が多すぎて時間がかかり、SLAが満たせないといった課題を指摘。これに対して、最新のSymantec Backup Exec 12では、「複雑さの排除」、「仮想と物理の一元化」「単一製品であらゆるリカバリ」などのテーマを掲げ、製品の大幅な刷新を図ったという。

Symantec Backup Execの機能強化点

 複雑さの排除を目的とした最大の改良点はユーザーインターフェイスの刷新だ。ワリア氏は「Symantec Backup Execはすでに30年の歴史があり、ダイエットが必要になってきた。2年間投資を続け、使い勝手のよく、シンプルな製品を手がけた」とのことで、外部のコンサルティングを使ってGUIを一新。従来、一般的だったジョブ単位の設定がサーバー単位に変更され、設定を簡素化した。デフォルト設定を使えば、最短3クリックで設定が完了するという。また、新しいジョブステージ機能により、バックアップ先を簡単に追加することも可能になった。

旧バージョンと新バージョンのGUIの違い

バックアップジョブの作成手順

 今回はエントリ向けのパッケージとして、新たに「Symantec Backup Exec Small Business Edition」を提供する。通常オプションとなるアプリケーション保護の機能が含まれている一方、リモートサーバーの保護機能に一部制限がある低価格バージョンになる。

 また、仮想と物理の一元化も推進し、両者での機能差を埋めた。独自の「V-Rayテクノロジー」により仮想マシンであってもファイル・フォルダ単位で復元できるほか、アプリケーションレベルの復旧や重複排除などの機能も仮想・物理マシン区別なく利用できる。新たにHyper-V用のエージェントを提供され、きめ細かなリカバリが可能になっている。

バックアップから仮想環境への変換

 さらに「Simplified Disaster Recovery」というサーバー障害時のシステムリカバリ機能も搭載された。従来のファイル単位でのバックアップに加え、イメージバックアップ製品である「Symantec System Recovery」の技術を導入。新たに起動ディスクから異なるハードウェアへのリカバリや、物理マシンから仮想への変換(P2V)が可能になった。

 ワリア氏に続いて、製品概要と国内での展開を説明したシマンテック 執行役員 マーケティング本部長 石崎健一郎氏は、3・11大震災以降のSMBのIT投資に関する調査を引き合いに、年商5億円以下の企業の約40%がデータバックアップに関心を持っている点を指摘。また、同社のワールドワイドの調査において、SMBでBCPが導入されているのが50%に過ぎず、さらにその半分が実際のデータ消失やシステム障害などを実体験しているという実態を明らかにした。

シマンテック 執行役員 マーケティング本部長 石崎健一郎氏

 こうした調査を受け、同氏はSMBでのバックアップ要件を「管理者が不在」、「迅速な障害対応」、「仮想化への対応」、「災害対策」の4点にまとめ、今回のSymantec Backup Exec 12がこうした要件を確実に満たすとアピールした。

バックアップ未導入のユーザー開拓をパートナーと進める

 製品は先だってパートナーからのフィードバックを得ているという。冒頭挨拶したシマンテック代表取締役社長の河村浩明氏は、「使い勝手がすごくよいと、パートナーからフィードバックをいただいている」とアピール。バックアップ専門の管理者を持てないような企業で、とにかくシンプルにバックアップができるのが最大の価値であると説明した。河村氏は、「グローバルで唯一日本だけは市場で2番手になっているが、今年こそ1番に上りたい」と新バージョンの拡販にかける意気込みを語った。

シマンテック代表取締役社長の河村浩明氏

 後半はパートナーからのメッセージも披露された。大塚商会 取締役兼専務執行役員の片倉一幸氏は、「今までは初期設定などのコンサルティングまで含めたパッケージとして提供していたが、新しいBackup Execならユーザー自身で設定や運用ができるのではないかと感じた」と使い勝手のよさを高く評価。また、リコージャパン 専務執行役員 窪田大介氏は「最近、お客様と話していると、ほぼ間違いなく事業継続の話題が出てくる。BCPの概念は以前からあったが、ここまで関心が高いのは始めてだ」と述べ、災害対策などのニーズに応えるための製品として期待していると述べた。

大塚商会 取締役兼専務執行役員の片倉一幸氏

リコージャパン 専務執行役員 窪田大介氏

 Symantec Backup Exec 2012の最小構成は15万2400円(税別)で、パートナー経由で販売される。

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