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渡辺由美子の「誰がためにアニメは生まれる」 ― 第25回

「まどマギ」「タイバニ」テレビ局から見たヒットの背景【前編】

2012年03月19日 12時00分更新

文● 渡辺由美子(@watanabe_yumiko

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(C)Magica Quartet/Aniplex・Madoka Partners・MBS

 10年に一度とも言われる大ヒットアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」、かなりターゲットが限られそうな内容にも関わらず見事に大当たりした「TIGER & BUNNY」。去年話題になった2本のアニメは、毎日放送(MBS)プロデューサーにしてヒットメーカーの丸山博雄氏が関わっている作品だった。

 2本はどちらも漫画や小説などの原作がなく、テレビのために作られたオリジナルアニメ。人気が出るかどうかが判断しづらく、“企画が通りづらい”ジャンルだ。あえてそこに挑み、そして成功した背景には何があったのか? 今回のヒットはテレビ局側にはどう映っていたのか、そして現在日本のテレビという媒体の中で“アニメ”はどんな役割を担っているのか? 丸山氏に詳しくお話を伺った。


毎日放送 プロデューサー 丸山博雄氏とは――

 1977年生まれ、大阪府出身。1999年毎日放送に入社、営業部門を経て2002年東京支社テレビ編成部に。アニメーションとテレビドラマを担当。主な担当作品は「機動戦士ガンダムSEED」「鋼の錬金術師」「機動戦士ガンダム00」「戦国BASARA」「マクロスF」「おおきく振りかぶって」「魔法少女まどか☆マギカ」「青の祓魔師」「TIGER & BUNNY」「機動戦士ガンダムAGE」「Persona4 the ANIMATION」「妖狐×僕SS」など。

準キー局にとっての「アニメーション」

―― 「青の祓魔師」「TIGER & BUNNY」「魔法少女まどか☆マギカ」など、昨年も数多くのヒット作を担当された丸山さんですが、毎日放送(以下、MBS)でアニメーション編成の担当になったいきさつを教えてください。

丸山 僕は2002年に「ガンダムSEED」という作品からアニメーションの担当になりました。そのときはまだ放送枠が少なくて、夕方で1枠、深夜に1枠。しかも、深夜は再放送枠でした。深夜アニメはまだ今のように活発ではなかったときでしたね。

 そのあと深夜枠のアニメが加速度的に増えて、MBSもちょうどその波に乗った感じです。あとは、MBSでアニメを放送したい、MBSと一緒に制作しようと声をかけてくださる方々が年々増えていきました。今の放送枠の数は、関西MBSの10月~3月期で言うと、全部で10枠。日曜5時と、月曜日に2番組、木曜日に3番組、土曜日に4番組。2002年から10年かけて、こつこつと1枠ずつ増やしていった感じですね。

MBS丸山博雄氏。「機動戦士ガンダムSEED」「マクロスF」などの大型アニメを担当した文字通りのヒットメーカーだ

―― 「テレビ局・毎日放送」としては、アニメーションの放送枠が増えることにどのようなメリットがありますか。

丸山 うちは大阪にある準キー局なんですけど、キー局さんと比べると、ほとんどのジャンルにおいて、番組制作の上で競争するのが難しいというのがあります。ドラマとかバラエティーなど、顔出しのタレントさんや芸能人の方が必要な番組ですね。

 テレビの世界ではどんな方が出演してくださるかが重要なんですけど、キャスティングの際には、普段から番組にたくさん出演していただいて関係を築くような人脈づくりが大切なんです。でも我々は全国ネットでやっているゴールデンの番組が少ないものですから、結びつきの割合が少なくなってしまうんです。

 対して、アニメーションの現場は、いわゆる芸能キャスティング的な発想があまりないので、準キー局でもキー局と同じ条件で勝負できるのが非常に大きい要素かなと思います。

 ただ、それとは別に、僕の個人的な思いとして、テレビという総合チャンネルの中で、アニメーションの枠を守っていきたいというのがあります。もともとアニメが大好きなんで。個人的には至上命題だと思っているくらいで。

 でも、会社の中でアニメの枠を守っていくには、やっぱり視聴率をとらなきゃいけないし、ビジネス部分に関しても確固たる結果を出すという、視聴率と収益の両輪を満たしていくこと必要な条件なんです。局のタイムテーブルの中で、バラエティーやスポーツなどに負けずに、アニメを守っていくのが担当として一番大変な作業かもしれません。

準キー局 : 関東(首都圏)地方で地上波テレビ放送を担当している親局「日本テレビ/テレビ朝日/TBS/テレビ東京/フジテレビ」の5局は“キー局”と呼ばれ、キー局に次いでその系列での番組制作を行なっているテレビ局(主に近畿地方)は“準キー局”と呼ばれている

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