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荻窪圭の“這いつくばって猫に近づけ” 第239回

猫をたずねて神社仏閣めぐり旅

2012年02月24日 12時00分更新

文● 荻窪圭/猫写真家

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食べたいけど近づけない姿がいじらしい

 さて、次は神社。都内某所の小さな神社に猫がいるらしいよ、という噂を聞き、たまたま近くに用があったとき、足を伸ばしてみたのだ。そしたら隅っこの方でがさごそと動く姿が。

 でも、なかなか出てきてくれない。と思いきや、常連さんらしき女性が現われて、ベンチに座って猫におやつをあげはじめたのだ。

 そうしたら2匹ほど慣れた様子で集まってきたのだけれども、1匹だけどうしても近寄れないヤツがいる。

 上からものほしげにじーっと見つめてて、何度も飛び降りようとするんだけど、どうしても降りられないのだ。

この下で御飯を食べてるヤツらがいる、おれも降りたい、降りたいんだけどこわい……と逡巡しているの図(2011年12月 パナソニック DMC-GX1)

この下で御飯を食べてるヤツらがいる、おれも降りたい、降りたいんだけどこわい……と逡巡しているの図(2011年12月 パナソニック DMC-GX1)

 おれも食べたい、でも人間に近づくのが怖い、と思ってるのか、他の猫と折り合いが悪くて近寄れないのか。ずっと下を見ながらうろうろしていた姿があまりにいじらしく。

 しまいにはあきらめて毛繕いをはじめたのでした。

結局降りるのをあきらめ、空腹を毛繕いでごまかしているのであった。いや、多分ちゃんとごはんにはありつけていると思うけど(2011年12月 パナソニック DMC-GX1)

結局降りるのをあきらめ、空腹を毛繕いでごまかしているのであった。いや、多分ちゃんとごはんにはありつけていると思うけど(2011年12月 パナソニック DMC-GX1)

 最後は両国にある「回向院」。動物供養でも有名なお寺で、中には猫塚や犬猫供養塔もあり、ペットの葬儀も行なっているし、供養したペットの卒塔婆もずらっと並んでいる。

 このお寺で飼っている猫がいると聞いて足を伸ばしてみたのだが、姿が見えない。どこに隠れているのだろうと思ったら、動物供養の建物が開いたとき、ひょこっと現れた。外が寒いから室内に隠れていたのね。

 人を怖がらない飼い猫なので、一度出てきたら多少は相手をしてくれるのだが、基本的には猫なので、やりたいようにやっております。

 それでも指を出したらちょっとだけくんくんしてくれたのでその隙に撮影。左手で指を差し出し、右手だけでiPhoneで撮るというちょっとアクロバティックな技で。

後ろに見える扉から出てきたのだった。人に慣れてるので近寄っても逃げず、指を差し出すと興味を(ちょっとだけ)示してくれる(2012年1月 アップル iPhone 4S)

後ろに見える扉から出てきたのだった。人に慣れてるので近寄っても逃げず、指を差し出すと興味を(ちょっとだけ)示してくれる(2012年1月 アップル iPhone 4S)

 この猫はというと、しばらくうろうろして退屈したのか、また上の写真の背景に見えてる扉が開くのをじっと待っていたのでした。それは「夏への扉」ではないんだけどね。

扉の前でじーっと待っていたら、ギギーとそれが開いたのであった。扉の前でたたずむ様子が面白くて撮っていたら、偶然そこが開いてくれたというわけ(2012年1月 キヤノン Powershot G12)

扉の前でじーっと待っていたら、ギギーとそれが開いたのであった。扉の前でたたずむ様子が面白くて撮っていたら、偶然そこが開いてくれたというわけ(2012年1月 キヤノン Powershot G12)

 あ、扉が開いた。

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筆者紹介─荻窪圭


著者近影 荻窪圭

老舗のデジタル系ライターだが、最近はMacとデジカメがメイ ン。ウェブ媒体やカメラ雑誌などに連載を持ちつつ、毎月何かしらの新型デジカメをレビューをしている。趣味はネコと自転車と古道散歩で、天気がいい日は自転車で都内を走りながらネコを探す日々。単行本は『ともかくもっとカッコイイ写真が撮りたい!』(MdN。共著)、『デジカメ撮影の知恵 (宝島社新書)』(宝島社新書)、『デジタル一眼レフカメラが上手くなる本』(翔泳社。共著)、『東京古道散歩』(中経文庫)、『古地図とめぐる東京歴史探訪』(ソフトバンク新書)。Twitterアカウント @ogikubokei。ブログは http://ogikubokei.blogspot.com/


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