自作PCの知識を問う本格的な検定試験「パソコン自作力検定」が、秋葉原ダイビルで実施された。初回となるこの検定には全国で254人が応募し(うち受験手続き完了者は187人)、デジタルの聖地秋葉原で全100問(4者択一マークシート方式/試験時間は60分)の検定に挑戦した。
検定試験の企画運営はイーアリーナ株式会社、主催はパソコン自作力検定実行委員会が行なっている。楽しみながら自身のパソコン自作の理解度や知識を確認してもらうめの検定という、今までありそうでなかった自作PCに特化した検定試験だ。この検定で資格が得られるわけではないので、気負うことなく気軽に挑戦できる。
実行委員会によると、この検定は「一過性のイベントではなく継続性のある行事を開催し、自作PC業界全体を盛り上げていくことを目的に企画した」という。会場を秋葉原にしたのも、「試験を受けたついでにパーツショップに寄って買い物ができるから」とのこと。
もちろん、ASCII.jpの自作PC担当としてこの検定は見逃せない! というわけで受験料2500円を払い、この検定試験を実際に受験してみた。
試験内容は自作に関するパーツの知識と自作に関すること全般。同検定のウェブサイトに掲載されている練習問題が満点だったので、余裕ぶっこいて検定試験に挑んだのだが、さすがに本試験は甘くはなかった。
規格や部品の名称を答えるものから操作手順の間違いを指摘するものまで設問は多岐に及ぶ。特に難しいと感じたのは歴史関連。最新パーツならまだしも、古いパーツに関することは記憶があやふやで、なかなか思い出せずに苦戦した。
試験時間は60分。問題は100問あるので、1問にかけられる時間は36秒。あれこれ悩んでいるとあっという間に時間が過ぎてしまう。試験開始30分後から、解答を終えた人はマークシートを提出して退出できるのだが、なんと試験開始30分の時点で退出した人が60人もいた。こっちは30分でやっと半分の50問終えたところなのに、すでに100問終えている猛者が受験者の約36%もいることに驚きと焦りを感じてしまう。
そんなこんなで、なんとか全問解答したところでちょうど試験終了となった。自分が不得意とする分野がはっきりと浮き彫りになり、そのへんは今後勉強しなければいけないなと、仕事柄切実に感じた。
そこで試験終了後に、会場内にいる人に手応えを尋ねたところ「選択肢にひっかけが多く、予想以上に難しかった」という声が多かった。難しいと思ったのは筆者だけではなかったようだ。
実行委員会によると「資格試験ではないので問題が難しすぎてもよくない。かといって簡単すぎると検定の意味がないので、問題作成は試行錯誤の繰り返し。受験者はマニアばかりだろうから、最終的にはやや手応えのある難易度にした」とのこと。
なるほど、自分の得意分野の問題が答えられないのは相当悔しいし、リベンジもしたくなる。それを考えてやや難しい難易度にしたのだろう。
ただ、若年層の受験者には「自分が自作を始めた以前に発売されたパーツの問題は答えられなかった」という人もいた。自作歴の長さによって過去のパーツの知識に差が出てしまうので、このあたりをどうクリアするか、課題も少なからず残っているといえる。当然これは実行委員会も把握しており「過去のパーツに関する問題は、IT系の雑誌やウェブサイトを読んでいれば目に付くであろう範囲内で出題している」とのこと。最新パーツだけでなくその生い立ちや歴史を知ることもマニアとしては重要と捉えているようだ。
自作に特化した検定ということで受験してみたが、腕試しとしては非常におもしろかった。まだまだ自分が知識不足なことを痛感できたし、試験で解答出来なかった問題や、自信がない問題が気になって仕方がない。ちょうどここは秋葉原なのでパーツショップや書店で復讐……いや復習してから帰宅しようと思う。
次回開催は未定だが、自作PCに自信がある人は次回があればぜひ挑戦してもらいたい。
ちなみに試験結果は1ヵ月後に送られてくるそうだ。はたしてどんな結果になっていることやら……
※:パソコン自作力検定の問題掲載は原則禁止されておりますが、当記事は「筆者の記憶に残っている範囲の内容限定」という条件で、検定実行委員会から特別に許可をもらって設問内容を記載しております。