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驚愕!! 1TBプラッターの実力、高性能HDD「Barracuda」を斬る

2011年12月15日 11時00分更新

文● 石井 英男

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旧世代のHDDに比べて3割以上もの性能向上

 Barracudaでは、プラッター容量が1TBになったことで、従来の500GBプラッターなどを採用した製品に比べて、どれだけパフォーマンスが向上したか興味のあるところだ。そこで、Barracudaの1TBモデル「ST1000DM003」のパフォーマンスを検証してみることにした。

検証に使用したエプソンダイレクトの「Endeavor Pro7500」。Sandy Bridge Eに対応するなど最新スペックを惜しげもなく投入したモデル

 比較用のHDDとしては、Seagateの旧世代の製品である「Barracuda 7200.12」シリーズの1TBモデル「ST31000524AS」を用意した。Barracuda 7200.12は、回転速度こそBarracudaと同じ毎分7200回転だが、500GBプラッターを採用しており、1TBを実現するために2枚のプラッターを搭載している。

 なお、NASに搭載した状態では、NAS自体のパフォーマンスやネットワークの速度の影響を受けてしまう。ここでは素のドライブとしてのパフォーマンスを比較するために、データドライブとしてパソコンに接続した。

 使用したのは、ディスクベンチマークソフトの「CrystalDiskMark 3.0.1」、および総合ベンチマークソフトの「PCMark05」に含まれる、HDD性能を計測する「HDD Score」の2種類。

 さらに、Barracudaについては、同じHDDを2台用意し、Windows 7のソフトウェアRAID機能を利用して、ストライプボリューム(RAID 0)を作成し、RAID 0構成ではどこまで性能が上がるかもあわせて検証を行った。テスト環境は以下に示した通りだ。

テスト環境

  • CPU:Core i7-3960X Extreme Edition
  • メモリー:16GB
  • ビデオカード:GeForce GTX 580
  • 起動ディスク:Intel SSD 510 120GB×2(RAID 0 240GB)
  • OS:Windows 7 Professional(64bit版)

 結果は、以下の通り。

転送速度の比較
項目 Barracuda Barracuda 7200.12 Barracuda RAID 0
型番 ST1000DM003 ST31000524AS ST1000DM003×2
CrystalDiskMark 3.0.1
シーケンシャルリード 165.6 125.4 297.4
シーケンシャルライト 163.2 123 297.7
512Kランダムリード 56.6 50.39 55.49
512Kランダムライト 91.11 68.46 117.2
4Kランダムリード 0.672 0.636 0.723
4Kランダムライト 1.491 1.075 2.699
4K QD32ランダムリード 0.868 1.429 1.616
4K QD32ランダムライト 1.461 1.045 2.718
(単位:MB/秒)
PCMark05
HDD Score 9865 8242 10885

【CrystalDiskMark】左から順に最新のBarracuda、1世代前の7200.12、最新モデルでRAID 0を構築した結果

 CrystalDiskMarkのシーケンシャルリードの値は、旧製品のBarracuda 7200.12では毎秒125.4MBだったのに対し、Barracudaでは毎秒165.6MBと大きく向上している。

 同様に、シーケンシャルライトの値もBarracuda 7200.12の毎秒123MBからBarracudaでは毎秒163.2MBとなった。性能向上率は32%にも達しており、期待通りの性能を見せてくれた。

 さらにBarracudaを2台使ってストライピング(RAID 0)構成にすることで、シーケンシャルリードは毎秒297.4MBに、シーケンシャルライトは毎秒297.7MBまで向上する。シーケンシャルでの比較なら、一般的なSSDと比べてもそれほど遜色がないレベルだ。

 実アプリケーション上での性能を比較するPCMark05のHDD Scoreの値は、CrystalDiskMarkほどは向上していないものの、それでも8242から9865へと約2割スコアが伸びており、実際にファイルコピーなどを行っても、速くなったことが体感できた。

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