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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第90回

停電時に家電が使えるエネルギーサーバーを活用する技

2011年11月15日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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 デジタルガジェット漬けの筆者にとって、停電時の電源確保は重要だ。さまざまな充電池アイテムや手動・太陽光発電ガジェット、PCにいたっては「UPSで停電でもPCを安全にシャットダウンさせる技」で紹介したようにUPS(無停電電源装置)を利用している。とはいえ、それぞれにデメリットがある。なかでも面倒なのが、日頃から準備しておかないと、いざというときに使えないという点。どうしようか思案しているところ、ソニーからホームエネルギーサーバー「サイクルエナジー CP-S300」が発売された。今回は、電源がない状況でエネルギーサーバーを使い、デジタルガジェットを活用する技を紹介しよう。

エネルギーサーバーがあれば、停電時にデジタルデバイスを存分に利用できる!

10年使えるオリビン型バッテリーを作用

 ホームエネルギーサーバー「CP-S300」は、ソニー製のオリビン型リン酸鉄リチウムイオンを正極に搭載した大型の充電池。バッテリー容量は最低290Wh、平均300Whで、消費電力100Wの電子機器を約2.5時間利用できる。デジタルに慣れていない人でもなじみやすいデザインで、幅210mm×奥行き270mm×高さ350mmと比較的コンパクトにまとまっている。重量は12kgとそこそこ重いが、本体に取っ手が付いているので、持ち運びも苦にならない。

 操作系は驚くほどシンプルで、上面に操作ボタンを2つだけ備えている。充電池の容量をチェックするボタンとバッテリーからの電源供給をオン/オフするボタンだ。ACアダプターをつないで充電し、利用する際にはコンセントに電子機器を接続し、電源ボタンを押すだけ。停電時に活躍するデバイスなので、1年くらい存在を忘れることもあるが、これなら誰でも迷わず利用できる。

 ボタンの遊びは少ないがしっかりした作りで、LEDは明るく反応もよい。ソニーらしいクオリティーの高さが表れており、うれしくなる。

ソニーのホームエネルギーサーバー「CP-S300」

上面は操作ボタンを2つとLEDを備える

背面はシンプルに取っ手だけがある

前面にコンセントを2つ搭載

写真ではわかりにくいが、電源ボタンは蓄光式で、停電時にはグリーンに光る。暗闇ならすぐにボタンを見つけられるので安心だ

 「CP-S300」は鉄を原料にしたオリビン型リン酸鉄リチウムを採用しているのが大きな特徴。結晶構造が強固で、高温状態でも安定性が高い。レアメタルを使っていないので、比較的安価に製造できるのもメリットだ。しかも、利用可能な充放電リサイクルは従来のリチウムイオン電池よりもはるかに多い約5000回。その状態でも80%以上の電力容量を維持しているという。毎日使っても13年以上使える計算だ。一般的なUPSは2~4年程度で数万円するバッテリーを交換する必要があるが、「CP-S300」ならバッテリーの劣化を考えなくて済むのがラクだ。

 電源の入力はDC19.5V、3.9AのACアダプターを利用し、充電時間は約6時間。電源を供給する能力は300Whで、本体前面に電力供給できる時間の目安が表記されている。ラジオなら25時間、固定電話なら50時間利用できる。携帯電話やスマートフォンは約50時間分の充電が可能。一般的なスマートフォンは3時間程度あれば満充電にできるので、20台くらいは充電できそうだ。

付属のACアダプターを接続して充電。コンセントにつなぐケーブルがアダプターの奥まで差し込めないので不安になる。汎用品を使っているためだろうか

簡単ながら利用できる主な機器の電力供給時間の目安が背面に表記されている

主な機器 参考消費電力 電力供給時間
ラジオ 10W 25時間
携帯・スマホ 5W 50時間
固定電話 5W 50時間
扇風機 50W 5時間
液晶テレビ 100W~200W 1~2.5時間
BD・DVDプレーヤー 50W 5時間
LED照明 25W 10時間
ノートPC 50W~150W 1.5~5時間

電子機器のコンセントを挿す

電源ボタンを押すと給電が始まる

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