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すべてを守るNorton Everywhere戦略は始まったばかり!

2011年08月09日 12時00分更新

文● 近江忠

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シマンテックが表明する
Norton Everywhere構想とはいったい何?

――Norton Everywhereという、すべてのネットワークにつながるデバイスを保護するという構想を以前から発表されています。企業とコンシューマ向け製品があって、新たに3月からモバイル向け製品の提供が始まったと。すると構想図からするとまだ僅かな領域しかカバーしていないことになります。Norton Everywhereを実現させようとすると、あとどういうことを付加させなければならないのでしょうか?

風間:ノートンDNSというのがその一端を担います。あるメーカーが構想する近未来に実現するエンドユーザーの家庭では、すべてのデバイスがワイヤレスネットワークで、冷蔵庫も電子レンジもテレビもPCもすべてつながっています。例えば、そこにシマンテックがライブアップデートの機能を与えられたらどうなのか。そのネットワークにウィルスがが感染しないようにすべてを繋ぐことができたらいいだろうなという発想があります。3月に発売したAndroid向け製品はNorton Everywhereの構想を反映した一番最初の製品です。
 ただ、ちょっと難しいのは、AV機器や家電では、それぞれのオリジナルの仕様がありますよね。うまく載せられるように、いろいろなところと提携していくのは重要だと思います。以前Mocanaというところとの協業を発表させていただきましたが、そこがそういった知識をもっていますので、Norton Everywhereは実現可能だと思います。

Norton Everywhereの概念図。まずはPCやスマートフォンといった分野をカバーして、最終的にはネットワークに接続するすべてのデバイス、家電などもシマンテックのセキュリティ機能で総合プロテクトしようというもの

――Norton Everywhereの端緒としてAndroidが始まったわけですが、その次はどこの分野をカバーにいくのかという構想はあるのでしょうか?

風間:iOSでも保護者機能というのは必要でしょう。最近見たリサーチの結果でも、子供は大人の10倍くらいの早さで使い方を覚えてしまう。ロックしていなかったら、親のiPhoneでも全部使えてしまう。危険なWebサイトも簡単に行けてしまう。保護者機能的なものは必要と思います。それはAndroidに限りませんよね。スマートフォンへの対応が完了したのならば、次は家電すべてがネットワークにつながった場合のセキュリティに担保というのがNorton Everywhereの新ステップになると思います。

――Norton Everywhereを今すぐ実現するのなら、例えば無線ルータの中にノートンのセキュリティ製品が入ってきて、サービスを提供させたほうがやりやすいですよね。各ルーターメーカーにそういう機能を提供できるようになると、我々もわかりやすい。そういったアクセスというのはしていないのですか?

風間:日本だけではなく海外からもこういう形でセキュリティを組み込みたいという話は、最近頻発する大手企業のデータ流出の件があってからものすごく問い合わせが増えてきています。基本的にNorton Everywhereというのはコンシューマの人たちがネットワークにつながるデバイスを持ったときを想定していますので、よりB2CからB2B2Cに変わっていくと思います。まさにルーターの中にノートンが入っているというのが魅力的だと思います。

――そこで伺う必要があるのが、マカフィーの件です。同社はインテルに買収されました。インテルによるとマザーボード上にセキュリティ機能を載せて提供すると発表しています。インテルのプラットホームは圧倒的なシェアをとっています。これは御社だけではなく、他のセキュリティソフトメーカーにとっても脅威だと思います。新しいPCを買ったら、すでにセキュリティ機能が搭載されているわけですから。ただ、検出能力は分かりませんし、アップデートはどうするのかなどよく分からない部分もあるわけですが、そういう状況でどのように戦うのか、興味があります。

Windows Phone 7.5への対応ももちろん視野に入っている。国内第一弾のWindows Phone 7.5端末はauからリリースされた

風間:当然、Androidであるとか、家電であるとか、特定の企業のチップが搭載されないところはまだまだ数多くあります。そういう分野でまた伸びるところがあるので、デバイスやOSに依らず、いろいろな分野のセキュリティを担保していけるでしょう。Windows Phone 7.5が出てきてもそこが市場になりますし。
 あと、大手メーカーさんが無料でOSに付随したセキュリティソフトを提供していますが、結局ああいったものを無料で提供されてもノートンの製品をみんなが買わなくなるのかというと、そういうことでもない。今のサイバー犯罪というのはものすごく巧妙になっています。メールにウィルス添付されたもの以外にも、いろいろな方法で犯罪者は侵入しようとしてきます。慣れない人は、見ただけではわからない。そういったところを守れるのかというところなんです。
 セキュリティ会社の一番の誇りというか。我々は裏でものすごく静かに巧妙に行なわれてるサイバー犯罪からユーザーを守るための仕組みをいろいろなところに提供するということが重要であって、あるセキュリティがそこに載りましたということで終わりではないと考えています。そこでいかに本当の意味でユーザーを守れるのか、高度なセキュリティ技術があるものを様々なデバイスに載せて行けるかという、ビジネスサイドと製品サイドの面の2つが重要でしょう。

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