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末岡洋子の海外モバイルビジネス最新情勢 ― 第28回

米VerizonのLTEエコシステム担当が語るLTE/端末/アプリ

2011年06月01日 12時00分更新

文● 末岡洋子

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 5月中旬、Ericssonがアメリカでプレス向けイベントを開催した。そこで、LTEをスタートさせたアメリカ最大手のVerizon Wirelessなど、キャリアを中心にアメリカ国内のモバイル動向について話を聞く機会があったので紹介しよう。

上位2キャリアが勝ち組となり
下位2キャリアとの差がついたアメリカの携帯キャリア

 現在アメリカにはVerizon/AT&T/Sprint/T-Mobile USAの4つの主要キャリアがある。AT&Tは最初にAppleがiPhoneをローンチしたときに組んだキャリアで、VerizonはMotorola「Droid」などAndroid端末をプッシュしてきた。しかし、2月からはついにiPhoneも販売するようになった。T-Mobile USAとAT&Tは先に吸収合併で合意したがSprintが異議を唱えており、政府からの許可が下りるかどうかが注目されている。

 Ericssonが見せたチャートは2007年第4四半期から2010年第4四半期までのものだ。iPhone登場前の2007年第1四半期や、iPhoneがVerizonから発売された2011年第1四半期が入っていないのが残念だが、一言でいうと、この間に起きたスマートフォンブームでVerizonとAT&Tの“トップ2”がリードを強め、残り2社との差が色濃く出たという点に尽きる。

この3年ほどで明かな変化が生じたアメリカの4大キャリアのARPU

 ARPU(1契約あたりの売上)を見ると、2007年第4四半期はT-Mobileが約53ドルでトップ。AT&T/Verizon/Sprintの残り3社が50ドル程度でもみ合っているが、その後T-Mobileは下り傾向に歯止めが利かず、2010年第4四半期は47ドルまで下がった。同じくSprintも下降線をたどり、44ドルにダウン。一方、VerizonとAT&Tは微増・微減を繰り返しながら、50ドル付近にとどまっている。

 ARPUをデータと音声別にみると、データがアップ、音声がダウンという傾向は4社共通だが、VerizonとAT&Tはデータを大きくアップさせた。その結果、2007年第4四半期当初は4社にあまり開きがなかったものが、2010年第4四半期には上位グループと下位グループの2グループにくっきり分かれている。もちろん、トップ2はチャーン(乗り換え率)も低い。

データのトラフィックにフォーカス
動画の利用というこれからのトレンドに対応していく

 イベント中、そのVerizonのLTEエコシステム開発担当執行ディレクター Brian Higgins氏がLTEを中心としたデータ戦略を明かしてくれた。

 VerizonはCDMA系のキャリアだが、2009年にLTEに移行することを発表、それ以来LTEを戦略の柱としている。「データに大きくフォーカスしている」と語り、2011年第1四半期でのデータの売上げは38%を占めたという。

VerizonのBrian Higgins氏

 VerizonがLTEをサービスインしたのは2010年12月。現在提供エリアは1億1000万人をカバーしており、2011年末までに1億8500万人を目指す。なお、同社の3G(1xRTT EV-DO)は2億9300万人をカバーしている。

 LTEを積極展開する理由は、データ売上を増加させるという目標実現にあたりLTEが必須と考えるからだ。Higgins氏は「データのトレンドは動画だ」とし、2014年にはモバイルデータトラフィックの68%を占めるというCiscoのデータを引用して、広い帯域を必要とする動画のニーズに答える必要があると話した。

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