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IPv6に進路を取れ! 第10回

PPPoE接続とIPoE接続の2つの方式でスタート

NTT東西、フレッツ光ネクストでIPv6接続サービスを開始

2011年05月27日 06時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

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 5月26日、NTT東日本とNTT西日本はFTTHサービス「フレッツ 光ネクスト」において、IPv6接続サービスへの対応を2種類の方式で開始すると発表した。

新たに始まるIPv6インターネット接続の方式

 フレッツ光では、すでにIPv6を利用したサービスを提供しているが、これは主に両社のバックボーンネットワークである「フレッツ網」内部での利用となっている。これに対し今回発表されたのは、インターネットにIPv6で接続するサービスで、「インターネット(IPv6 PPPoE)接続」と「インターネット(IPv6 IPoE)接続」の2種類が提供される。なお、両サービスとも現行のIPv4インターネット接続と同様に、ISPのサービスを併用する形態となる。

 KDDIの家庭向けFTTHサービス「auひかり」は、4月18日より順次「IPv4/IPv6デュアルスタック」に対応すると発表している。NTT東西もそれに続く形だが、法人向けサービスも含まれるなど、より大規模なIPv6対応といえる。

 インターネット(IPv6 PPPoE)接続は、以前「トンネル方式」と呼ばれていた方式で、6月1日にスタートする。現行のIPv4接続と同じく、家庭内のブロードバンドルーターなどからPPPoEでISPに接続し、そこからインターネットに接続する。NTT東西への申し込みは不要で、追加料金などは発生しない。ただし利用には、IPv6のPPPoEに接続した機器(IPv6トンネル対応アダプター)をユーザー側で用意する必要がある。

 NTT側でもIPv6トンネル対応アダプターとして「MA-100」を用意しており、税別9980円で販売する。

IPv6トンネル対応アダプタ「MA-100」、「MA-100」用のIEEE802.11 b/g/n対応無線LANカード

 インターネット(IPv6 IPoE)接続は、「ネイティブ方式」と呼ばれていたもので、7月を目処に開始する。こちらは、フレッツ網上で(ユーザーが加入したISPが保有する)IPv6アドレスを割り当て、「ネイティブ接続事業者」の網を経由して、ISPに接続し、IPv6インターネットに接続する。

 利用にはNTT東西への申し込みが必要だが、追加料金などは発生しない。また、IPv6トンネル対応アダプターのような機器は不要で、現在一般的なIPv6パススルー対応のブロードバンドルーターがあれば利用できる。

プロバイダーも対応を表明

 NTT東西の発表に合わせ、ISP各社も本サービスへの対応を表明している。

 インターネットイニシアティブ(IIJ)は同日、インターネット(IPv6 PPPoE)接続に対応すると発表した。既存の個人向けサービス「IIJ4U」と「IIJmio」、法人向けサービス「IIJ FiberAccess/Fサービス」と「LaIT ひかりコネクト」が対応するほか、法人向けの新サービス「IIJ IPv6 FiberAccess/Fサービス」を開始する。

 IIJ IPv6 FiberAccess/Fサービスは、IPv6アドレスを完全に固定でユーザーに割り当てる。このIPv6アドレスは、事業所の移転などで利用場所が移っても変更無く利用でき、「インターネット接続サービス」や「IIJデータセンター接続サービス」など、ほかの法人向けサービスに移行しても、継続利用が可能となる予定だ。

 NTTコミュニケーションズも、6月1日よりインターネット(IPv6 PPPoE)接続への順次対応を開始する。個人向けは「OCN 光 with フレッツ」と「OCN 光 「フレッツ」」、法人向けは「OCN光アクセス」と「フレッツ 光ネクスト対応プラン」が対象で、追加料金はかからない。

 また同社では、IPv6トンネル対応アダプタの機能を持った独自製品「IPv6ブロードバンドルーター(仮称)」を、7月を目処に提供する。将来的には、フレッツ 光ネクスト以外のアクセス回線でも幅広く利用できるルーターとして提供する予定だ。

 一方、NECビッグローブは、インターネット(IPv6 IPoE)接続に対応したサービスを7月26日より開始する。対応する主要なサービスは、

  1. BIGLOBE光パックNeo with フレッツ「フレッツ光」コース
  2. 「フレッツ光」コース
  3. BIGLOBE法人光パックNeo with フレッツ「無制限」コース
  4. 「無制限」コース+「フレッツ光」オプション

で、追加料金は発生しない。NTT東西と同社に申し込むだけで、特別な設定や機器の追加をすることなく、利用可能になるという。

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