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柳谷智宣の「真似したくなるPC活用術」 第66回

サラウンドヘッドホンで深夜でも映画を楽しむ技

2011年05月24日 12時00分更新

文● 柳谷智宣

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プロセッサーは2系統の光入出力端子と、ステレオピンジャックを備えている

 配線は環境によって異なる。BDプレーヤーやホームシアターシステムのアンプに光デジタル音声出力があるなら、光出力から直接プロセッサーに入力すればいい。プロセッサーは光スルー出力端子を備えているので、プレーヤーをプロセッサーに直接つないでも、アンプや他のAV機器への出力も利用できる。今回はプレイステーション3(PS3)から「DIGITAL IN1」に光ケーブルで接続した。アンプにも入力したいなら「DIGITAL OUT1」と光ケーブルで接続すればいい。

 筆者の普段の環境では、PS3をHDMIケーブルでアンプにつなぎ、音声もHDMI経由で出力している。そこで、音声を光ケーブルに出力するように設定を変更する必要がある。まずはPS3のメニューを開き、「設定」から「サウンド設定」を選ぶ。続いて、出力端子を「光デジタル」に変更する。

PS3の「音声出力設定」を開き、「光デジタル」に切り替える。音声の同時出力も選べるが、片方が2チャンネルになるのでその都度切り替えたほうがいいだろう

 PS3の設定を済ませ、電源を入れてヘッドホンを付けたら、すぐに音が聞こえてきた。無線の届く範囲なら自動的に接続するので手間がかからない。音量はヘッドホン側で調整できる。

 装着感は上々だ。重さは約325gもあるのだが、低反発のウレタンフォームを採用しており、ふわっと耳を包む。長時間の利用でも耳や頭に負担がかからない。普段ヘッドホンを使っていない人にも試してもらったが、2時間半の映画を観終わっても特につらくはなかったのこと。何より電源ボタンがなく、ヘッドセットを装着するだけで電源がオンになり、外すとすぐにオフになるのが便利だ。

装着感は自然で、長時間の視聴でも疲れにくい

ヘッドホン左側には充電用電源端子とプロセッサーの電源ボタン、右側にはボリュームつまみや「EFFECT/IDSET」ボタン、入力を切り替える「INPUT」ボタンを備える

 無線の到達距離は約30mと長く、動き回っても音質が変わらないのも利点である。試しに、リビングから2部屋離れたところで扉を閉めても、問題なく聞こえていた。バッテリー駆動時間がフル充電で13時間と長いのもいい。充電を忘れていたとしても、30分の充電で4時間の使用が可能だ。

 ヘッドホンの増設も簡単だ。追加するヘッドホンの「EFFECT/IDSET」ボタンを長押しして、長いビープ音が鳴り始めたら、プロセッサーの背面にあるID SETボタンを押すだけ。すぐに音声が聞こえるようになる。

 いろいろなBDソフトを視聴してみたが、音質はなかなかのものだ。プロセッサーはドルビーデジタルやDTS、MPEG-2 AACなどに対応し、臨場感あふれるサウンドを楽しめる。音量を大きくすれば、映画館では聞こえなかったようなかすかな音まで聞こえてくる。

 ヘッドホン内のドライバーユニットは片耳にひとつずつなのでサラウンドは擬似的なものだが、それでも満足のいくレベルだ。音の深みや突き抜けるような高音は感じられず、高音質を極めているとは言い難い。しかしピュアオーディオを楽しむのでない限り、十分以上の性能だと感じた。

 MDR-DS7100は、好みの音場に調整する機能も充実している。エフェクト機能では、包まれ感を重視する「CINEMA」と、音像定位やクリアな方向感を重視した「GAME」が選べる。加えてコンプレッション機能では、爆発音のような音を小さくし、会話などを大きくすることで聞きやすくもできる。ダイナミックレンジが広い映画やクラシック音楽を聴くときに活用したい。映画の台詞などを聞き取りにくいときは、センターレベルも調整できる。

 とにかくワイヤレスが快適なうえ、ヘッドホンの装着感がいいので、普段音楽を聴くときにも利用したくなる。家中どこにいても同じように聞こえるので、気兼ねなく動き回れるのがうれしいところ。パソコンに光デジタル出力端子があれば、パソコンに貯めたデジタルオーディオの視聴も可能だ。パソコンのサウンド機能に光端子がないなら、光端子付きのUSB DACを利用する手もある。

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