シャープは、夏モデルのスマートフォンを中心とした事業戦略についての説明会を都内で開催した。
現在の市場も完全にスマートフォンへの流れができている。2011年度はスマートフォンが4割前後になるという調査データもあり、より広い層に受け入れられる端末の必要性が生じている。
ではスマートフォンにおいて、どのような要素がユーザーに求められているのか。今回説明を行なったシャープ 執行役員通信システム本部長の大畠雅巳氏によると「ユーザーの求める要素はフィーチャーフォンと特段変わらない」とする。画面サイズなどの基本性能や操作性などにユーザーの注目が集まっており、それらを重視していくとした。
具体的な差別化ポイントとしては「ブランドの提案」「AQUOS連携」「基本機能強化」「サービス連携強化」の4点が挙げられた。
テレビのAQUOSシリーズの高性能を想起させるブランドとして「AQUOS PHONE」を採用。AQUOSシリーズとの連携や高画質化エンジンを積んだ端末にAQUOS PHONEを冠していく。また、スマートフォンのコンテンツをAQUOSのテレビで見たり、逆にBDレコーダー内のデータをDLNAによってスマートフォンで見る機能に対応した。
さらに今後は動画や写真をスマートフォンから送り出すような感覚でフリック操作することで、テレビにそのデータを表示させるような直感的な操作に対応する予定だ。
基本機能強化ではツインカメラによる3D撮影や裸眼3D液晶に加え、強化された共通化プラットフォームを用いてコストダウンとの両立を図っている。たとえばディスプレーは液晶のシャープらしく、他メーカー製の端末にはない540×960ドットの高精細液晶を搭載。主要機種に1.4GHz動作のSnapdragonを用いるなど、スペック面でも差別化を進めた。サービス連携は「TSUTAYA GALAPAGOS」のさらなる強化を行なう。
中国のみならず、欧米や新興国も狙う
シャープのスマートフォン
また今年度はすでに進出している中国だけでなく、欧米や新興国へのグローバル展開を予定している。すでにシリコンバレーに事務所を設置し、マーケティングや情報交換のための拠点として利用している。
テンキー付きの折りたたみ型Android端末を発表するなど、世界的に見ても特徴的な製品をリリースしているだけに、海外での活躍にも期待したいところだ。