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Apple Geeks 第33回

知る人ぞ知るテキスト形式変換コマンド「textutil」の謎を解く

2011年03月31日 12時00分更新

文● 海上忍

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 本連載「Apple Geeks」は、Apple製ハードウェア/ソフトウェア、またこれらの中核をなすOS X/iOSに関する解説を、余すことなくお贈りする連載です(連載目次はこちら)。

 UNIX使い向けを始め、Apple関連テクノロジー情報を知りつくしたいユーザーに役立つ情報を提供します。

 ご存じのとおり、文章をファイルに残す際には「フォーマット」が重要な意味を持つ。文字修飾が必要なければプレーンテキスト(*.txt)、基本的な文字修飾と図版の使用程度で足りるのならばリッチテキスト(*.rtf)、高度なレイアウトが必要であれば各種ワープロ文書(*.doc/*.docx、*.pagesなど)。各フォーマットに直接の互換性はないので、ファイルを受け取った側はそのフォーマットに対応するアプリケーションを用意しなければならない。

 プレーンテキストの場合、文字エンコード形式の問題もある。OS Xの場合、旧Mac OS時代からシフトJISが広く利用されているが、近年ではUTF-8を使う機会も増えた。しかしUNIX系OSでは、伝統的に日本語EUCを利用する。インターネットメールの場合、JISコード(ISO-2022-JP)を使うことがルールだ。

 前置きが長くなったが、OS X 10.4(Tiger)のとき追加された「textutil」は、それら文字主体の文書フォーマットを相互変換するためのコマンドだ。プレーンテキストはもちろんリッチテキスト、ワープロ文書に至る広範な文書フォーマットに対応、Snow Leopardの現在ではOOXML(Office Open XML)のワープロ文書(*.docx)もサポートされた。

 しかしtextutilコマンドには多くのオプションがあり、どのように使いこなせばいいのか、今ひとつ分かりにくい。そこで今回は、実行例を引用しつつtextutilコマンドの活用事例を紹介してみよう。

Webアーカイブ形式の文書を添付書類付きリッチテキスト(RTFD)に変換したもの

文書ファイルの情報を表示する

 文書ファイルの情報を表示する場合は、「-info」オプションを使用する。最初にこの作業を行なうことにより、文書ファイルフォーマットと内容の一部(コメントやキーワードなど)を確認し、その後の変換作業に役立てることができる。


$ textutil -info "お知らせ.docx" 

「-info」オプションを使うと、文書ファイルのフォーマットを確認できる

(次ページへ続く)

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