Z68が抱える問題はオーバークロック?
これらに続いて登場する製品であるが、まず2011年5月頃までに、「Intel Q65」と「Intel Z68」が登場する予定だ。Q65はQ67の低価格版であり、基本構成はQ67と同じだが、B65同様に機能の削減が行なわれている。
- SATAポートが6Gbps×2+3Gbps×4から、6Gbps×1+3Gbps×5に削減
- RAID 0/1/5/10のサポート削除
- PCIバスのサポート追加
見てのとおりQ67の低価格版と言うか、B65にIntel AT/AMT 7.0のサポートを追加したと言うべきか、ようするにB65のビジネス向けバージョンと考えればいい。
大きな話題はZ68の方だ。Z68は基本的に「H67のオーバークロック対応版」または「P67のCPU内蔵グラフィックス対応版」とでもいった扱いの製品だ。しかし、例えばデュアルグラフィックス対応などは、実際のPCIe x16レーンはチップセット側でなくCPU側から出ているのだから、本来はチップセットには関係ない話である。これはメモリーもそうで、「H67だからできない」という技術的な問題は本来存在しない。
つまり、これは単に製品差別化の問題であって、単にCPUが起動するときのチップセット内部レジスターの初期設定値が、P67とH67で異なるというだけの話でしかない。そのためH67にオーバークロック動作やデュアルグラフィックス機能を付加するのはそう難しくない。それより大きな話題になっているのはClock Sourceの問題である。
左の画像はIntel 5シリーズの、右の画像はIntel 6シリーズのクロック周りの構造である。Intel 5シリーズは「CK505」と呼ばれる外部PLL(Phase Locked Loop)を必要としていた。このCK505が複数のクロック信号を生成してチップセットに供給し、これがさらにCPUやその他の回路に供給されることになる。このCK505というのは製品名というよりは規格名というべきで、さまざまな会社がこのCK505に対応したクロックジェネレーターを発売している。
だがこうした外付けチップを付けると、どうしても部品コストがかかってしまう。そのためP67/H67では、右画像のように外付けのCK505を廃止。その代わりに25MHzのクロック信号をチップセットに入力して、これを内部のPLL&SSC Blockで分周したり倍周したりという形ですべてのクロック信号を生成するように変わった。一応互換性を保つため、従来のCK505からの信号を受ける端子は用意されているが、実際の説明書を見ると、これらの端子は「Unused」(未使用)と明記されている。
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