既存の文書を読み込ませて
変換候補を学習させる
既存の文書やRSSを読み込み、利用されているキーワードを解析する新機能「おまかせキーワードチャージャー」は面白い。取得したキーワードは、ATOKの推測候補に表示されるようになる。例えば、書き貯めた原稿を選択して右クリックし、「ATOKで学習する」をクリックする。すると、「あかうん」まで入力すると「アカウント情報」や「アカウント制御」などの文字が候補で表示されるようになるのだ。目当ての単語があれば、Tabキーで選んでEnterキーを押すだけだ。
元が自分で書いたテキストなので、ぴったりのフレーズが出てきやすい。高速タイピングしている時は、フレーズを選択する度に一瞬思考が中断される。筆が進んでいる時は、無理して予測変換を利用する必要はない。とはいえ、全部の文字をタイプするよりも、少ないキー入力で文章を作成できるのはメリットだ。
おまかせキーワードチャージャーでは、ブログやニュースサイトのRSSを登録することもできる。自分のブログを登録して癖を学習させるだけでなく、投稿先の表記を取り込むのにも役立つ。
複数のパソコンで同じ環境のATOKを利用する
会社と自宅、モバイルノートなど複数のパソコンを使いわけている場合、それぞれに同じ日本語入力環境を構築するのは手間がかかる。筆者は「ATOK Sync」というサービスを活用して解決を図っていた。ジャストシステムのストレージサービス「インターネットディスク」を利用して、ATOKの登録した単語やお気に入りの文書を共有する機能だ。しかし、メインマシン以外で文章を入力すると、微妙に違和感があった。確かに登録単語は表示されるのだが、変換効率が悪いのだ。
そんなネックを解消してくれるのが、新しい「ATOK Syncアドバンス」だ。ATOK Syncアドバンスは、ATOK 2011 for WindowsやATOK定額制サービス(後述)、一太郎2011 創のユーザーが利用できるクラウドサービスで、50MBのATOK Syncアドバンス用ストレージを1年間無料で利用できる。これを使えば変換辞書の学習情報や確定履歴などもパソコン同士で同期してくれるので、メインマシンとまったく同じ環境で日本語入力できるのだ。
今まで筆者は、メインマシン以外ではできる限り原稿を書かないようにしていた。しかしATOK Syncアドバンスがあれば、もう問題はない。数千円でこれだけの機能が手に入るなら安いものだ。
とはいえ、文章を書いてお金を稼いでいるのでなければ、それだけの予算を投じることはためらうかもしれない。そんな人は、「ATOK定額制サービス」を利用してはどうだろう。月額300円でATOK 2011 for Windows/Macと同等の機能を利用できるのだ。つまり1日10円という低コストで、常に最新版のATOKと辞書を利用できる。ATOKを使ったことがない人は、まずは1ヵ月間の無料試用版を試してみよう。
ちなみにATOK 2011は使用許諾上、1製品でインストールできるのは1台のみとなっている。ただし、同じユーザーが同時に利用しないという条件でなら、自宅と会社のパソコンなど、複数台にインストールすることが許可されている。
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