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ARCserve D2Dをインストールから設定、実行まで試す

本当に簡単? ARCserve D2Dのセミナーに参加してきた

2011年02月09日 09時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

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サーバー向けのバックアップソフトは数多くの設定があり、複雑・面倒というイメージがある。しかし、CA technologies(以下、CA)のARCserve D2Dは、とにかく簡単で使いやすいのだという。今回は日本CA新宿本社で行なわれたARCserve D2Dのハンズオンセミナーに参加してきた。

とにかく簡単なARCserve D2Dの正体

 ARCserve D2D r15は、Windowsサーバーの保護を目的としたバックアップソフト。CAはこのARCserve D2D r15のハンズオンセミナーを定期的に行なっており、今回は担当も参加してきた。セミナーは販売代理店のエンジニアが対象となっており、全部で10名程度の規模。ハンズオンということできちんとマシンも用意され、午前中の2時間半でインストールから初期設定、バックアップ、リカバリまでを試すことができるという。こうしたセミナーは久しぶりでやや緊張するが、現場の方々といっしょに操作を学んできた。なにせリアルなので、写真が少ないのはご容赦願いたい。

セミナーで使用された紙のマニュアルや資料。なかなかの充実ぶり

 今回セミナーの講師を担当してくれたのは、日本CA ストレージ・ソリューション事業部 プロダクトソリューショングループ コンサルタントの千葉俊輔氏。冒頭、まずは「15分でわかる」というふれこみで、千葉氏はARCserve D2Dの概要について説明が行なった。

 ARCserve D2Dはファイルではなく、ブロック単位でバックアップをとるイメージバックアップソフトで、D2Dという名前のとおり、ハードディスクからハードディスクへのバックアップを行なう。「ファイルレベルのバックアップはリカバリの際もファイル単位で戻さなければならないのですが、ブロックレベルのバックアップはブロックレベルで戻せます」(千葉氏)という特徴を持っている。

 また、ARCserve D2DではI2テクノロジーという技術により、継続的な増分バックアップを効率的に行なえるという。通常のリストアは、フルバックアップをまず戻し、その後増分バックアップを何度も書き戻す必要がある。一方、I2テクノロジーでは最初にフルバックアップ、その後は増分バックアップをブロック単位で繰り返す。リストアの際は、復旧ポイント時点の過去のフルバックアップや増分バックアップから最新データイメージを自動的にかきあつめてリストアを行なう。メディア交換やリカバリ手数など、管理者の手間を削減するとともに、ディスク使用量を減らすことが可能になる。

効率的な増分バックアップを実現するI2テクノロジー

 さらにOSとアプリケーションを設定ごとリストアする「ベアメタル復旧」という機能も搭載している。異なるハードウェアへの復旧も可能なので、いざというときに安心だ。

 そして、なによりARCserve D2Dの最大の特徴は「直感的で、とにかく簡単」という点。インストールから設定、復旧までの操作が簡単で、初期設定後は運用もメンテナンスフリーだという。実際、今回のセミナーは、この簡単であることを理解してもらい、エンドユーザーに啓蒙してもらうのが目的として大きい。さて、実際に60分のハンズオンに進んでみよう。

バックアップからリストアまで
拍子抜けする簡単さ

 ハンズオンはインストール、フルバックアップ、増分バックアップ、ファイルリストア、そしてベアメタル復旧の6つのシナリオを順々に行なうという流れで進む。HDDは3台内蔵するPC上にVMwareを動かし、Windows Server 2008 Standard Editionのバックアップを行なう。

 まずはインストールからスタート。インストールCDを挿入し、管理者パスワードを設定。あとはウィザードで作業が進む。インストールが完了し、再起動すると、タスクバーにD2Dアイコンが常駐する。そこからWebベースの管理ツールを起動し、設定を行なうことになる。

セミナーの様子はこんな感じ

 さて最初のフルバックアップ設定だが、「とにかく簡単」を謳うARCserve D2Dだけあって、基本的にはバックアップ先だけを指定すればよい。これさえ設定しておけば、起動して5分後にはバックアップジョブがスタートする。これは、バックアップ元は「マシン全体」、復旧ポイントは最大「31」、バックアップ方法は「増分バックアップ」、圧縮は「標準」、スケジュール間隔「毎日」などのデフォルト設定が行なわれているためだ。もちろん、変更する場合も、チェックボックスをオンにするだけなので、至極簡単だ。

 圧縮も3種類あるが、「最近はOfficeのファイルは意外と圧縮が効かないので、あえて圧縮をオフにする方もいらっしゃいます。一般的には圧縮をかけたほうが速いといわれますが、D2Dはオフにした方が速いです」などの運用のコツなども披露された。

 フルバックアップに続く増分バックアップでは、用意されたファイルの一部を書き換え、きちんとリストアできるかを試す。管理ツールの「今すぐバックアップ」から増分バックアップを行なうと復旧ポイントが追加される。

 続いては特定のディレクトリを削除し、最新の復旧ポイントからリストアを行なうシナリオだ。こちらも「リストア」メニューを起動し、「復旧ポイントの参照」を選択すると、過去のバックアップデータを階層構造で見ることができるので、リストアするディレクトリやファイルを選択。あとは、どこにリストアするかを指定すれば、リストア設定は完了。実行すると当然ながら削除前のデータを取り出すことができ、元に戻る。こちらも実に簡単だ。リストアするファイルの検索も試すことができた。

「とにかく簡単」に偽りなしの操作性のよさは体感できた

 最後はOSやシステム設定などを含め、マシンを元に戻すベアメタル復旧を試した。こちらはARCserve D2Dのメディア自体がブータブルのリカバリディスクになっているので、そこからブートし、戻したい復旧ポイントをウィザードで設定すればよい。ベアメタル復旧ではマシン全体なので、時間がそれなりにかかる。そのため、セミナーではトラブルシューティングやQ&Aの時間に充てられていた。

現場のエンジニアも納得の使い勝手

 いざ触ってみると、使い終えるまでの2時間半はわりとあっという間。過去のセミナーの反省をきちんと取りこんでいるらしく、よくある質問について先んじて説明したり、実現場で役立つ設定例なども紹介されたので、充実した内容と感じられた。また、参加者の方々がやはりプロの方々なので、鋭い質問が飛びまくっており、個人的には参考になった。リアルセミナーならではのライブ感だ。メディアの立場では、バックアップやリストアの処理がスペック通りできて当たり前と考えるが、やはり現場のエンジニアの方々は失敗したらどうするかきちんと考えを巡らせているらしい。「うちのお客さんのところではこんな苦労が……」みたいな前置きの質問もあり、いろいろバックアップで苦労してきた方も多いのだろう察せられた。

 なにより触れ込み通り、「ARCserve D2Dは本当に簡単だった」ことを体感できたのが大きな収穫。帰り際に「確かに簡単だったよね~」と話していた参加者もおり、エンジニアの方も同じ感想を持ったようだ。もちろん高機能なARCserve Backupに比べれば機能面でやや劣るが、使いやすさや低廉な価格は大きな売り。日々のサーバー保護は、ARCserve D2Dが十分その役を果たすはずだ。

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