このページの本文へ

ユーザーは将来性を考えてセキュリティに投資せよ

創業10年のフォーティネット、次の10年をにらむ

2011年01月28日 06時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

  • この記事をはてなブックマークに追加
  • 本文印刷

1月27日、フォーティネットジャパンは2010年の総括と2011年の事業戦略を説明するプレスブリーフィングが行なわれた。好調な業績を背景に、包括的なセキュリティベンダーへと脱皮する。

60万台のアプライアンスが世界中へ

 プレスブリーフィングの冒頭では、創業10年を迎えたフォーティネットのマイルストーンをCEOのケン・ジー氏はじめ多くの社員が語るというビデオが上映された。ここでは、当初の社名がアプセキュア(AppSecure)だったこと、設立時からグローバル展開を進めていたこと、すべての製品が完全自社開発であること、そして全世界でフォーティネット製のUTMのアプライアンスがすでに60万台出荷されていることなどがアピールされた。

ビデオで創業当時の様子を語るケン・ジーCEO

 続いて米フォーティネット インターナショナル シニア・バイスプレジデントのパトリス・ベルシェ氏が、2010年の総括と2011年の戦略について説明した。まず2010年の決算だが、売り上げは前年比33%の増加を記録し、日本も含め、全地域で高い伸びを実現したという。市場の伸びが4.7%なのにかかわらず、フォーティネットはハードウェアのみで21.5%の拡大を実現していると説明した。また、製品のシェアやマーケットポジションに関しては、IDC、ガートナー、フロスト&サリバンの3社の調査結果を出して、好調ぶりをアピール。特にハイエンドUTMに関しては、IDCの調査を引き合いに出し、クロスビームやチェック・ポイント、マカフィーに比べて高いシェアを持っていると説明した。

米フォーティネット インターナショナル シニア・バイスプレジデントのパトリス・ベルシェ氏

 ペルシェ氏は2011年の戦略についても説明した。まず同氏は、UTMの市場動向として「統合化」「UTMの機能拡張」「高いパフォーマンス」「マネージドセキュリティ」という4つを挙げた。そして、既存のファイアウォール&VPN市場を2011年にはUTMが凌駕していくという見通しを示した。

ベルシェ氏が挙げた4つのマーケットトレンド

 こうした動向についていくため、大手のベンダーがいくつかの会社を買収していくことになるという見通しも示した。だが、同氏はマカフィーを例に出し、「マカフィーのセキュアコンピューティングを買収したが、マカフィーはインテルに買収された。我々から見ると、今後マカフィーはフォーカスを失っていくと思える」(ペルシェ氏)と述べた。そのため、顧客はベンダーの将来性を見極めて製品を選定する必要が出てくると説明した。

 さらに投資を関しては、UTMの改良はもちろん、アプリケーション制御、VoIP、エンタープライズ無線LANの仮想化の新領域、新型のASIC開発、サービスの拡張などでお金を振り分けていくという。

 今後はUTM以外の分野にも注力していく。同社は、メールセキュリティやエンドポイント、DBやWebセキュリティ、無線LANなどの製品も投下している。これらを統括すると、約250億ドルの巨大マーケットになるという。ベルシェ氏は「エンドツーエンドでの包括的なセキュリティをエンドユーザーに提供する。これらはすべて自社開発で作られている」とアピールした。

エンドツーエンドで包括的なセキュリティを提供する

カテゴリートップへ