画面で見る電子申告の手順 その3
1手順ずつきっちり終わらせていくのがコツ
確定申告は1年に一度の作業なので、適当に作業していると、ミスや抜けが発生することが多い。間違えなければそれほど時間はかからないので、手順を追ってきっちり操作しよう。ありがちなトラブルシューティングや注意点を紹介するので、参考にしていただきたい。
まずはICカードリーダー/ライターのセットアップをきちんと終わらせること。製品によっては、ドライバーをインストールする前にリーダーを接続してしまうと、うまくセットアップできないことがある。また、パソコンの再起動を求められたら、ログオフだけでなくきちんと再起動すること。続いて、ウェブブラウザーの設定。普段はポップアップをブロックしている人が多いと思われるが、確定申告作業を行なう際はブロックを無効にしておくこと。
パスワードがはじかれる場合は、大文字小文字や全角半角をチェック。ICカード利用時に求められるのは、電子証明書を登録したときに設定したパスワードなので、e-Taxで設定した暗証番号と混同しないようにしよう。利用識別番号や暗証番号を忘れてしまった場合は、ホームページから「変更等届出書」を提出し、後日、税務署から通知書が送付されてくる。だが面倒なうえ日数もかかるので、利用識別番号や暗証番号の記録は確実に取っておこう。
作業を一時中断したいときは、ウェブページ上でデータを保存しよう。パソコン側に「.data」という拡張子のファイルが作成されるので、確定申告書等作成コーナーの「作成再開」から読み込むと、作業を続行できる。もし、以前にもウェブサイト上での申告書作成を利用したなら、そのデータを利用して平成22年度分の申告書を作成することもできる。
なおe-Taxで申告できる時間は、平成23年1月17日~3月15日の間なら、基本的に24時間受付となっている。ただし、毎週月曜日の午前0時から午前8時半までは、メンテナンスのため受け付けていない。それ以外の期間は、月曜~金曜日の午前8時30分から午後9時(祝日等および12月29日~1月3日を除く)となっている。
申告先の税務署にもよるが、紙申告なら6週間かかる還付金の入金が、電子申告なら3週間ほどになると言われている。還付金申告だけなら1月1日から申告可能なので、1月後半~2月には還付金を受け取ることが可能になるのだ。
少々こみ入った手順だが、一度作業してしまえば翌年からは迷わずに操作できるだろう。ファイルを保存しておけば、来年の申告時に今年のデータを流用することもできる。初回はややハードルが高いが、今後のことを考えて、今年こそチャレンジしてはいかがだろうか。
筆者紹介─柳谷智宣
1972年生まれ。ネットブックからワークステーションまで、日々ありとあらゆる新製品を扱っているITライター。日経パソコンオンラインで「ビジネスパソコンテストルーム」、週刊SPA!で「デジペディア」を連載するほか、パソコンやIT関連の特集や連載、単行本を多数手がける。近著に「仕事が3倍速くなるケータイ電話秒速スゴ技」(講談社)、「PDFビジネス徹底活用技」(技術評論社)、「Linkedln人脈活用術」(東洋経済新報社、共著)。
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