アメリカでiPhoneの電波に不満を持つ層は
すでにVerizon&Androidに移行済?
と、ここまで書いたところで、実際の調査結果があるので2つのデータを紹介したい。
1つ目はChange Waveが実施した乗り換え意向調査。まだVerizonがiPhone提供を発表していない時点に行なわれたもので、AT&Tの既存顧客に対し、「Verizonがもし/いつかiPhone提供を開始したら、Verizonに乗り換えたいか?」と聞いたところ、「Yes」が16%、「No」が60%だった。
ちなみにiPhoneに関係なく、4キャリア(Verizon、AT&T、Sprint/Nextel、T-Mobile)のうち、乗り換え指向が最も高いのはAT&TとT-Mobile(ともに15%)の顧客で、Verizon顧客は最も低い4%である。
もう1つは、Betanewsの名物記者Joe Wilcox氏が同サイト上で私的に調査したデータ。それによると既存iPhoneユーザー(つまりAT&Tの利用者)の10.3%が「Verizonに乗り換える」と回答(「乗り換えない」は20.8%)、「AT&T以外のキャリア/端末からVerizon/iPhoneに乗り換える」は3.1%だったとのこと。既存Verizon顧客では17.52%が「現在の端末からiPhoneに機種変更する」と回答したという(「iPhoneに機種変更するつもりはない・できない」は22.52%)。
さらにBetanewsは、Androidに満足しているVerizonユーザーの声、VerizonのiPhoneはCDMAのためデータと音声が同時に使えないといった声などを紹介している。
フランスでもSamsung&Androidの勢いが増している
さてフランスの現状だが、もともとAppleファンが多い国ではあるが、Androidの猛躍進は同じ。先のStatCounterのスマートフォンのOSシェア推移を見ると2010年6月からは急ピッチで伸ばしており、すでにSymbianを抜いて現在2位となっている。
それもそのはずで、フランスはSamsung端末が強い国でもあって、携帯電話全体ではSamsungが数年前から最大シェアを持つのだ。そして、iPhoneのシェアは、マルチキャリアになった直後の74%を最高点に、何度か山を描きつつここ数ヵ月は下降傾向で、現在64%あたりとなっている。
なお、StatCounterは専用のアクセス解析ソフトをインストールしたサイトで調べる手法を用いており、ウェブ利用が多い端末ほどシェアが高くなる。
筆者紹介──末岡洋子
フリーランスライター。アットマーク・アイティの記者を経てフリーに。欧州のICT事情に明るく、モバイルのほかオープンソースやデジタル規制動向などもウォッチしている
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