Facebookは日本では、やはり難しい?
増井氏の趣旨説明あと、3組のトークセッションが実施された。最初のセッションはソーシャルメディアについて。登壇者は、クォンタムアイディの代表取締役で、関心空間のファウンダーでもある前田邦宏氏と、アジャイルメディア・ネットワークの代表取締役 徳力基彦氏。
イベントのタイトルにもあるFacebookについて、前田氏は、日本では期待値が大きいが、現状はまだ規模が小さすぎることを説明した。日本のユーザー数は180万人だが、アメリカでは1億4000万人を超えている。企業のファンページの登録者数でも、コカ・コーラが220万人に対して、ユニクロでも8000人弱に過ぎないという。
前田 あまりに数が違うため、広告単価の規模もまったく異なる。日本で流行るかどうかという話だが、実名のネットワークであることにベネフィットがあるのか。そういう視点では、他国と同じようにはいかないのではないか。また、Facebookがアメリカでブレイクした理由として、ゲームメーカーZyngaによるソーシャルゲームの存在が大きい(アクティブユーザーは2億人とも)が、一方で日本ではすでにソーシャルゲームが充実しており、Facebookがゲームで割り込んでくるのは難しいだろう。
徳力氏も、FacebookはいわばmixiとGREEとモバゲータウンを足した存在だと指摘。このため、アメリカ人はほぼFacebookだけで事足りるが、日本の場合はすでにmixi、Twitter、GREE、モバゲーがあって、さらにFacebookも来るかもしれないという状況であり、アメリカのようにFacebookですべてがつながるわけではない。
徳力 アメリカを先進事例として、日本も今後そうなると考えると、それは違うのではないか。
そして、アメリカの大学生はメールではなくまずFacebookを見るなど、メールのポジションがFacebookに移りつつあることなどを例に挙げ、「重要な点は、ユーザーがコミュニケーションの場所としてどこを選ぶか」ということだと語った。