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Apple Geeks 第19回

OS XのプリンターをAirPrint経由で使う

2010年12月07日 21時00分更新

文● 海上忍

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あっという間に
OS XのプリンターがAirPrint対応に

 そこへ1件の情報が届いた。「内容がたった1行のファイルをOS XのCUPS管理領域へコピーするだけで、OS Xにローカル接続されたプリンターをAirPrint対応にできる」というものだ。これにより、やはりAirPrintはCUPSクライアントであり、AirPrint対応プリンターにはCUPSのドライバー(フィルタ)に相当する処理系が搭載されているものと推定できる。

 情報によれば、「image/urf urf (0,UNIRAST<00>)」だけが記述されたテキストファイルを、「airprint.types」というファイル名で/usr/share/cups/mimeディレクトリーへ保存し、CUPSのサービス(cupsd)を再起動すればいいらしい。

 これをTerminalで実行するコマンドラインで表現すると、以下のとおり。


$ echo 'image/urf urf (0,UNIRAST<00>)' > airprint.types
$ sudo cp airprint.types /usr/share/cups/mime/
Password:
$ sudo killall cupsd

 次に、システム環境設定の「プリントとファクス」ペインを開き、AirPrint非対応のプリンターで「ネットワークでこのプリンターを共有」をチェック。

 これでAirPrintのダイアログにプリンターの名前が現れる……かと思いきや、何も表示されず。しかし、そのプリンターをペイン上から削除し、再び登録してから共有を有効にすると、ビンゴ! 無事、AirPrintのダイアログにプリンターが表示された。

 筆者はカラーレーザープリンター(コニカミノルタ「magicolor 2430DL」)を共有に設定し、手始めにPDFとWord文書で試してみたが、印刷は無事成功。トレイに設定しておいたA4の紙に、Mac OS Xから印刷したときと遜色ない仕上がりで印刷できた。

使い方は簡単、AirPrintのダイアログで選択すればOK。当然ながら、OS Xに接続された状態のプリンターでなければならない

 ただし、印刷時に部数指定しかできないことは、AirPrintに正式対応しているプリンターと同じ。用紙サイズや使用するトレイが選択できないため、iPhone 4内蔵のカメラで撮影したJPEGファイル(「写真」から印刷を実行)もA4に印刷されてしまった。

 なお、CUPS-PDFを共有プリンターとして印刷を実行する場合、/Users/Shared/CUPS-PDFディレクトリー以下にPDFとして印刷イメージが書き出されるはずだが、AirPrintではアカウント名の関係で保存に失敗することがある。

 これを避けるには、プリンター共有の設定で「全員」を「アクセスなし」にしたうえで、現在OS Xにログインしているユーザーアカウントのみ許可すればいい。印刷時にアカウント名を入力する手間はあるが、これでiOS 4.2デバイスからPDFを書きだすことが可能になる。

CUPS-PDFへ印刷する場合には、「全員」のアクセスを不許可にしたうえで、任意のユーザーアカウントを登録する

いちいちユーザー名とパスワードを入力しなければならないが、iOSデバイスから簡単にPDFとして印刷イメージを出力できるようになる


筆者紹介──海上忍

 ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザーにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、Amazon.co.jpで見る)など。


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