あっという間に
OS XのプリンターがAirPrint対応に
そこへ1件の情報が届いた。「内容がたった1行のファイルをOS XのCUPS管理領域へコピーするだけで、OS Xにローカル接続されたプリンターをAirPrint対応にできる」というものだ。これにより、やはりAirPrintはCUPSクライアントであり、AirPrint対応プリンターにはCUPSのドライバー(フィルタ)に相当する処理系が搭載されているものと推定できる。
情報によれば、「image/urf urf (0,UNIRAST<00>)
」だけが記述されたテキストファイルを、「airprint.types
」というファイル名で/usr/share/cups/mime
ディレクトリーへ保存し、CUPSのサービス(cupsd
)を再起動すればいいらしい。
これをTerminalで実行するコマンドラインで表現すると、以下のとおり。
$ echo 'image/urf urf (0,UNIRAST<00>)' > airprint.types
$ sudo cp airprint.types /usr/share/cups/mime/
Password:
$ sudo killall cupsd
次に、システム環境設定の「プリントとファクス」ペインを開き、AirPrint非対応のプリンターで「ネットワークでこのプリンターを共有」をチェック。
これでAirPrintのダイアログにプリンターの名前が現れる……かと思いきや、何も表示されず。しかし、そのプリンターをペイン上から削除し、再び登録してから共有を有効にすると、ビンゴ! 無事、AirPrintのダイアログにプリンターが表示された。
筆者はカラーレーザープリンター(コニカミノルタ「magicolor 2430DL」)を共有に設定し、手始めにPDFとWord文書で試してみたが、印刷は無事成功。トレイに設定しておいたA4の紙に、Mac OS Xから印刷したときと遜色ない仕上がりで印刷できた。
ただし、印刷時に部数指定しかできないことは、AirPrintに正式対応しているプリンターと同じ。用紙サイズや使用するトレイが選択できないため、iPhone 4内蔵のカメラで撮影したJPEGファイル(「写真」から印刷を実行)もA4に印刷されてしまった。
なお、CUPS-PDFを共有プリンターとして印刷を実行する場合、/Users/Shared/CUPS-PDF
ディレクトリー以下にPDFとして印刷イメージが書き出されるはずだが、AirPrintではアカウント名の関係で保存に失敗することがある。
これを避けるには、プリンター共有の設定で「全員」を「アクセスなし」にしたうえで、現在OS Xにログインしているユーザーアカウントのみ許可すればいい。印刷時にアカウント名を入力する手間はあるが、これでiOS 4.2デバイスからPDFを書きだすことが可能になる。
筆者紹介──海上忍
ITジャーナリスト・コラムニスト。アップル製品のほか、UNIX系OSやオープンソースソフトウェアを得意分野とする。現役のNEXTSTEP 3.3Jユーザーにして大のデジタルガジェット好き。近著には「改訂版 Mac OS X ターミナルコマンド ポケットリファレンス」(技術評論社刊、Amazon.co.jpで見る)など。
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