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いよいよ始まる日本のIaaS-2010年版- 第8回

質実剛健なスペック+完全従量制課金で決まり!

富士通の王道IaaS「オンデマンド仮想システムサービス」

2010年10月26日 09時00分更新

文● 大谷イビサ/TECH.ASCII.jp

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10月に商用版がスタートした富士通の「オンデマンド仮想システムサービスは」、質実剛健なスペックと割り切った従量制のみの課金体系が魅力だ。サービスの概要について、サービスビジネス本部 クラウドビジネス推進部 担当課長の齋藤範夫氏に聞いた。

富士通製品のプライドをかけた高品質クラウド

 富士通のクラウドサービスはアプリケーションからデスクトップ、ユーティリティ、インフラ、ネットワークまで実に広範囲におよんでいる。このうち、IaaSとして提供しているのが、WindowsやLinux、VMwareの「オンデマンドホスティングサービス」、そして今回する「オンデマンド仮想システムサービス」である。

 オンデマンド仮想システムサービスは、サーバー、ストレージ、ネットワーク、ロードバランサー、ファイアウォールなど富士通の館林データセンター上にあるITリソースをネットワーク経由で利用するいわゆるパブリック型のクラウドサービスである。「6年前くらいからITリソースの仮想化や自動化を進めおり、サービス自体は3年前から検討し始めました。その後、ミドルウェアの開発に時間を割き、2010年5月からβテストを進めてきました」ということで、10月に商用サービスとしてスタートしたばかりだ。

富士通 サービスビジネス本部 クラウドビジネス推進部 担当課長の齋藤範夫氏

 最大の売りは、ビジネスでの本格的な利用に耐えうる信頼性だ。もちろん、信頼性に関してはどの事業者も同じようにレベルの高さを謳うが、「信頼性を最重視していますので、システムはあらゆるところで多重化してますし、フェイルオーバーも自動的に行ないます。もちろん、データ消失を絶対に許さない体制を作っています」(齋藤氏)という。ITリソースが収容されている館林データセンターは、ISレーティングのセキュリティ格付けでトップにあたる「AAAis」(トリプルA)を取得しており、集積密度の向上や免震構造の採用、環境への配慮などさまざまな取り組みを行なっている。これまでのデータセンター運用の実績が、サービスレベル99.99%の保証を生んでおり、規約のレベルからして他社と異なるという。PRIMERGYやETERNUSなど自社製のIT機器、ソフトウェアを使ってのサービスだけに、その信頼性の高さは同社の矜持を示している。

 また、共有リソースということで不安のつきまとう仮想サーバーの性能を保証しているというのも大きい。「負荷によってサーバーの多重度を下げていたりしています」(齋藤氏)。

 使い勝手もアピールポイント。ユーザーはWebブラウザでサービスポータルにアクセスし、目的にあわせたシステム構成をあらかじめて定義したテンプレートを選択。デザインスタジオという画面はもちろん日本語GUIで、わかりやすいメニューとなっている。

システム構成をテンプレートを選択する

 こうした作業により、仮想システムが構成されるので、SSL-VPN経由で仮想マシンにログインし、アプリケーションを構築する。あとはファイアウォールを設定し、インターネットやイントラネットに公開すればよい。従来のインフラ設計・構築に比べ、調達期間を圧倒的に短縮できる。「テンプレートを活用することで、Webの3階層のシステムをDMZに配置するなどの作業をスピーディに行えます」(齋藤氏)という点が差別化ポイントだ。サーバーの稼働状況のモニタリングやバックアップ/リストア作業なども可能になっている。

サービス利用の流れ

(次ページ、完全な従量制採用で「使った分だけ払う」を徹底)


 

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