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松村太郎の“モバイル・ネイティブ”時代の誕生を見る 第12回

海外パケット定額で得られた新しい旅の楽しみ

2010年09月30日 12時00分更新

文● 松村太郎/慶應義塾大学SFC研究所 上席所員

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スマートフォンは旅をスマートにする

 海外の旅先でパケット通信が現実的な料金で使えるとなると、メールやウェブ検索はもちろんのこと、地図の道案内や乗り換え案内なども気軽に利用できる。たとえばマウイ島ではレンタカーを借りたのだが、iPhoneが的確なナビゲーションしてくれたおかげでちゃんと移動できた。もっともマウイ島の場合は、道が単純なのであまり迷わないかもしれないが。

 また国内では気軽にiPhone同士でSMSを使っていたが、これは料金がかかってしまうためチャットアプリを用いた。「What's App」というソフトは、電話番号をアカウント名として利用しつつも、定額対象のパケット通信経由でチャットが可能なソフトだ。相手の電話番号さえ知っていれば、すぐにチャットをしたり、写真を送ったりできる。チャットの着信もプッシュ通知が可能なので、旅先で待ち合わせしたり、別々に行動する時の連絡手段として便利だった。

 そのほかに英和辞書のアプリを入れておけば、わからない単語がすぐ調べられるし、ハワイのシェフがオススメするレストランを調べられるアプリ「What Chefs Eat」は、知らない土地でのレストラン選びに重宝した。特にアメリカではエリア情報を提供するアプリが多数存在するので、行き先に合わせて日本で事前に準備しておくと良いだろう。

電話番号でチャットが出来る「What’s App」。海外パケット定額ならば、海外SMSのように送信にお金がかからず、しかしSMSのようにプッシュ通知をしてくれて、旅先での待ち合わせなどに便利だった

ハワイと東京のデュアルライフを送る本田直之さんから教えてもらったアプリ「What Chefs Eat」では、ハワイの有名シェフがオススメするレストランのリストが見られる

 余談になるが、iPhone 4のカメラの性能は非常に向上していることを身をもって体験した旅でもあった。一眼レフカメラ(ニコンD90)とiPhone 4を両方持ち歩いていたのだが、よほど凝った写真を撮ろうと思わない限り、iPhone 4だけでも十分だったのではと思わせるほどだった。iPhone 4はスペックだけ見れば500万画素とケータイと比べても見劣りするが、それでも十分の性能になっている。

 特にiPhone 4はiOS 4.1で「HDRフォト」と呼ばれる処理を施した写真が撮れるようになった。明るい背景であっても白飛びせず、しかも手前の人の顔も真っ黒につぶれない写真が気軽に撮れる。その場でしかチャンスがない写真も失敗せずに残せる。

HDRフォトの一例。通常このような写真を撮ると、手前の芝生に露出を合わせてしまい、空の雲のテクスチャは完全に白く飛んでしまう。HDRのおかげで芝生と空の両方を表現してくれている

こちらはHDRフォトではないが、iPhone 4の写真性能は格段に向上している。ただシャッターを切るだけでこの表現ができるなら満足がいく

 さらには写真を撮影した場所の位置情報が残り、iPhone 4の写真アプリの撮影地のタブで、あるいはアップロードした写真サービスで、地図上に写真が配置されるようになる。あとで今回の旅行を振り返る際に地図と写真の旅の軌跡を辿ると、新しい発見があるかも知れない。

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