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SF的なグリッドシステムが紡ぎ出す、ジャストな結果

Justy Finder──セキュリティー企業が始めた価格比較サイト

2010年09月28日 10時00分更新

文● TECH.ASCII.jp

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ぴったり、そして公平な検索結果

 さて、英単語の「Just」には、「正確な」「ぴったりの」といった意味がある。ハミングヘッズがサービス名に、Justyという言葉を入れた背景には、ユーザーの求める商品をピッタリ見付けられるウェブサービスという意図がこめられていると想像できる。

価格比較サイトの種類
サイト名 タイプ 特徴
Justy Finder 収集型 検索ロボットを利用して、約1500サイトから価格情報を収集
従来の価格比較サイト 登録型 パートナーのECサイトが登録した価格情報から最安値を表示

 これまでの価格比較サイトは「登録型」のサービスが大半だった。簡単に言えば、ECサイトが決めた商品の価格を、価格比較サイトに登録させて、その中の最安値を表示する仕組みである。

 当然、登録していないECサイトの価格は表示されないし、メーカー直販や大手ショッピングサイトなどの情報が漏れているケースも少なくない。

 ECサイトは集客の一環として価格比較サイトを活用している、黙っていても買い手が集う大手サイトなら、登録料やマージンの一部をキックバックする、こうしたサイトにあえて登録する必要がないのだろう。

 一方、Justy Finderは「収集型」のサービスを標榜している。ロボットを使って、インターネットから広く、ECサイトの価格情報を収集し、その中の最安値を導き出す方式だ。機械または人間の目で、ネットの主要ECサイトをピックアップし、その情報を定期的に更新する。その中から、本当に低価格なサイトを探し出していこうというアプローチだ。

セカンドオピニオンとしても役立つ

 それでは本当にJusty Finderはネットの最安値を探し出せるのか。実際にサービスを利用して「Windows 7 Home Premium」の価格を検索してみた。ある大手価格比較サイトの最安値は2万167円(9月10日現在)。これよりも安価な結果が得られるかを検証してみる。

Justy Finderの検索画面。キーワードを排除する「-」や検索する価格の範囲などを指定するとより効果的な検索ができる

表示方法は2種類が用意されている。こちらは検索エンジンのように、検索サイトのページとサマリーを表示するスタイル

 上の画面を見てほしい。検索結果に価格比較サイトでは表示されなかったDSP版の価格が表示され、約1万円安価に購入できることが分かった。

 DSP版はパーツと一緒に販売される特殊な形態をとっているため、あらかじめリスト化した商品情報には載りにくい。つまり、登録型の枠組みでは見つけにくい製品といえる。しかし、自作パーツを扱っている直販サイトなどでは以前から購入が可能で、Justy Finderはこれを拾ってきた。

 ウェブ上に公開されている情報であれば、一定のアルゴリズムに則って、等しく比較の俎上に載せられるのは、Justy Finderの特徴。Justには「公正な」という意味があるが、ネットにさえ載っていれば、こうした情報も公平に扱うのがJusty Finderだと言える。

ちなみに「ウェブで買える最も高価なソフトは?」と、素朴な疑問を持って検索してみた。なんと2億2000万円以上のものが……。どうやって決済するんだろうか

 もちろんこうした情報は、GoogleやYahoo!などでも、「製品名」+「価格」といったキーワードで検索すれば得られる。しかし、純粋な価格以外の情報もヒットし、ユーザーにとってはノイズになるし、SEO対策やページランクといった情報も加味した結果となるため、単純に最安値が上位に来るわけではない。

 価格情報に特化したJusty Finderは、こういった意味でも有利だ。うまく使えば、「ピッタリ」で「公平」な結果を出しうる。二重の意味のJustを提供するサービスであることが分かった。

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