NECビッグローブは、Android用のアプリケーションやコンテンツを紹介/販売するアプリストア「andronavi」を正式にオープン。都内で記者会見を行なった。
同社は昨年から「パーソナルクラウド」を戦略ビジョンとしてかかげ、今年初頭にはタブレット型のAndroidデバイスをモニター向けに貸与するとともに、Androidに関するサイトを立ち上げるなど、Android向けのビジネスを模索してきた(関連記事)。andronaviはその一環となるもので、タブレット型端末についても11月発売を示唆している。
ちなみにAndroid OS搭載のスマートフォン向けのアプリストアとしてはGoogle純正の「Androidマーケット」が標準で用意されているが、このAndroidマーケットはアプリの検索や課金面でさまざまな弱点を抱える。具体例としては、24時間以内の返金が可能、課金はクレジットカードのみ対応(一方でJCBは利用不可)などの点が挙げられる。
そのためAndroid端末向けのアプリストアはドコモの「ドコモマーケット」、auの「au one Market」など通信事業者も参画を進めているが、これはあくまで自社端末に向けてのサービスだ。andronaviは通信業者などに縛られないという特徴を持ち、またAndroidマーケットでは配信されない専用アプリの配信などで、独自の展開を目指す。対応機器も基本的には国内でリリース済みのスマートフォンが動作確認済みとしてピックアップされているものの、それ以外のタブレット型端末などについても「動作させないような仕組みは入っていない」とのことだ。
すでにカプコン、バンダイナムコゲームス、ハドソンといったゲームベンダーを始めとする多数のコンテンツホルダーの協力を得ており、9月末時点では650アプリがピックアップされている。今後は今年度末には「少なくとも4000本くらい」を集め、2012年度末にはアプリ/コンテンツ数15万本、取扱高100億円を事業目標とする。
ユーザーの決済機能としてはBIGLOBE会員向けの「BIGLOBE決済」のほかにも、「グローバル展開を強く意識している」とのことでPayPalにも対応する。なおコンテンツプロバイダー向けにはアプリ単体の販売だけではなく、2011年にはアプリ内課金や期間限定利用の課金システムも用意する予定。不正利用を防ぐためにアプリ起動時のライセンス認証システムも提供する。個人によるアプリ提供も、同社と契約を結ぶことで可能になる。
冒頭に登壇した同社代表取締役執行役員社長の飯塚久夫氏は「クラウドデバイスには(iPhoneなど)さまざまな端末が登場しているが、これらの端末は買ってすぐにプロバイダーに契約することなく、インターネットが使える。これはプロバイダーとしては大きな変化。(今回のandronaviは)プロバイダーとしての生き残りをかけた大きな変革への取り組み」とその意気込みを語った。