4月29日にリリースされ、低価格6コアCPUとして自作ユーザーに認知されている「Phenom II X6」シリーズだが、下位モデルの「Phenom II X6 1055T」(2.8GHz)に早くも改良版が登場した。変更点は125WだったTDPが、95Wへ引き下げられたことである。
この新しい95W版は、AMD製CPUで低消費電力版を表わす型番の末尾に“e”が加えられるといった区別はなく、125W版とまったく同じ型番で販売される。そのため125W版はメーカーの在庫がなくなり次第フェードアウトし、Phenom II X6 1055Tはすべて95W版になると予想される。
TDP以外の変更点はなし
動作電圧は大幅に減少
95W版1055Tのスペックを見てみると、動作電圧以外の項目は、125W版とまったくかわらない。リビジョンも同一であることから、CPUコアには手を加えず、単に動作電圧を下げることにより30Wの省電力化を実現していることがわかる。実際に95W版を用いたPCを組み上げ、CPU-Zで内部パラメータを確認すると、やはり変更点は見あたらない。
ただし、唯一の変更点である“動作電圧”が強烈に下げられている。6コアフル稼働時の動作電圧は125W版が1.4Vだったが、95W版はなんと1.2Vまで下がっている。両者の電流が同じと仮定すると、消費電力が約27%下がる計算になる。登場からわずか2ヵ月でここまで下がるのは、驚異的なスピードと言えるだろう。
ベンチマーク環境
実際の消費電力を見るため、今回は新旧「Phenom II X6 1055T(2.8GHz)」の2つに加え、「Phenom II X6 1090T(3.2GHz、TDP125W)」、「Athlon X4 635(2.9GHz、TDP95W)」を用意し、アイドル状態(CnQはオン)と全コアに負荷をかけた状態で、システム全体の消費電力と、CPU温度をそれぞれ計測した。なお、CPUクーラーにはサイズの「KATANA3」を用いている。
| テスト環境 | |||
|---|---|---|---|
| CPU | Phenom II X6 1090T BlackEdition(3.2GHz) Phenom II X6 1055T 125W(2.8GHz) Phenom II X6 1055T 95W(2.8GHz) Athlon II X4 635(2.9GHz) |
||
| マザーボード | MSI「890FXA-GD70」(AMD 890FX) | ||
| メモリー | Corsair製「CMD8GX3M4A1333C7」(DDR3-1066 2GB×2) | ||
| ビデオカード | GeForce 7600 GS | ||
| HDD | Seagate「ST3160812AS」(160GB) | ||
| 電源 | Thermaltake「Toughpower QFan 650W」(650B) | ||
| OS | Windows 7 Ultimate(32bit) | ||
消費電力(単位:W) ←better
CPU温度(単位:℃) ←better
95W版 1055TのCPU温度、消費電力の改善ぶりはすばらしいの一言で、ここまで差があると125W版と本当に同一なのかと疑ってしまうくらいだ。今回使用したCPUクーラーはミドルレンジ向けであるが、95W版の温度はかなり低めなので、「6コアCPUは魅力的だけど、発熱がちょっと」という人の不安を払拭できたと言えるだろう。
(次ページへ続く)
※お詫びと訂正:記事初出時、95W版の画像とOPNの表記に誤りがありました。訂正してお詫びいたします。
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