ロードマップでわかる!当世プロセッサー事情 ― 第56回
ALi/ULiチップセットの歴史 その2
AMDやATIまで手を広げるも、買収で終わったALi/ULi
2010年06月21日 12時00分更新
ALi/ULiのロードマップ第2回目であるが、まずは前回の訂正から。前回うっかり「ALADDiN V+」をSocket 7対応の最後の製品と記述したが、その後に「ALADDiN 7」があったことを忘れていた。ベースはALADDiN V+と同じながら、100MHz超のFSBに対応させた(つまり100MHz以上のオーバークロック耐性を向上)ものだ。
またALADDiN 7は、米ArtX社のジオメトリプロセッサー/レンダリングエンジンを搭載したグラフィックス内蔵チップセットでもある。ただしグラフィックコア(以下GPU)に関しては、内部的にはArt XのGPUとAGP 8X相当で接続されているものの、外部AGPポートは廃されたため、ほかのグラフィックスカードを使うことは不可能であった。
独自のGPUを持たないことが弱点になるALi
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| インテルCPU向けのALi/ULiチップセットロードマップ |
それでは本題のインテル系製品の話に入ろう。まず1999年6月に、ALADDiN V+をそのままSlot 1/Socket 370対応にしたとでも言うべき「ALADDiN-Pro 2」がリリースされる。このALADDiN-Pro 2に、GPUとしてNVIDIA「RIVA TNT2」をそのまま入れたのが、同年11月にリリースされた「ALADDiN-TNT2」となる。もっともNVIDIAコアを使ったのはこれが最後である。
翌2000年1月には、AGP 4Xの対応やサウスブリッジを更新した「ALADDiN-Pro 4」がリリースされるが、3月にリリースされた「CyberBlade Aladdin i1」では、NVIDIAやArtXに代わるGPUとして、米Trident社の「CyberBlade 3D」が搭載された。
NVIDIAとのコラボレーションは必ずしもALiにとって好ましいものではなかったようだが、一方のArtXも2000年2月にATI Technologyに買収されたために、GPUとしての採用が難しくなったようだ。この「GPUを持たない」というのは、VIAやSiSと戦う上での唯一の(しかしかなり大きな)ALiの弱点であった。
これに続き、2000年6月には133MHz FSBに対応した「ALADDiN-Pro 5」を、さらに2001年3月には、TualatinコアのPentium IIIに対応した「ALADDiN-Pro 5T」をリリースする。さらにこのALADDiN-Pro 5/5Tをベースに、TridentのGPU「CyberBlade XP」を統合したのが、同年5月にリリースされた「CyberALADDiN」である。Slot 1/Socket 370向け製品はこれが最後であり、これに続きPentium 4向けチップセットに移ることになる。
チップセット間バスにHyperTransportを採用
![]() | ALADDiN-P4のノースブリッジチップ「M1671」 |
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2001年2月には、早くもPentium 4のバスライセンスをインテルから取得したことをアナウンスしており、これにもとづき2001年8月には、最初のPentium 4向け製品である「ALADDiN-P4」をリリースしている。もっとも、これはALADDiN-Pro 5TをP4バスに対応しただけ、といったものでしかない。
このALADDiN-P4に、CyberBlade XPの動作周波数を若干向上させるとともに、いくつかの機能を追加したTridentのGPU「CyberBlade XP2」を統合したのが、2002年2月にリリースされた「CyberALADDiN-P4」である。このCyberALADDiN-P4が、同社のALADDiNシリーズの最後であり、以後は単にチップセットの型番(正確に言えばノースブリッジの型番)で呼ばれるようになる。
その第一の製品が、同じく2002年2月にリリースされた「M1681」である。このM1681から、チップセットの構造そのものが変化した。それまではノースブリッジとサウスブリッジがPCIで接続されていたが、ここからは(NVIDIAのnForce 2などと同じように)HyperTransport Linkで接続するように変わったのだ。
この変更の理由について、当時インタビューしたことがある。担当者によると、「I/Oデバイスの高速化にともなって、ノースブリッジ/サウスブリッジ間に高速リンクを採用する必要があるのは明白だが、新規に独自のリンク技術を開発するコストは無駄であり、既存のリンクを流用するのが賢明だ」と言う。
そのうえで、「PCI-Xは実装面積や配線が肥大化して非効率であり、候補はHyperTrasnportかPCI Expressしかなかった。ところが、当時の製造プロセス技術でPCI Expressを使うとダイサイズが肥大化してしまうので、HyperTransportが一番賢明である」との返事を貰ったことがある。そんなわけで、これ以降ALi/ULiの製品は原則として、HyperTransportで接続する形態になった(例外は後述)。
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