プラズマテレビで見る迫力の3D映像
立体視も本物志向にこだわる! パナの3Dテレビ&BDレコ
2010年05月12日 12時00分更新
さっそく3D方式の映像を体験!
3Dテレビの映像はすでに各種のメディアで紹介されており、筆者も2月の発表以降、何度か3Dテレビの映像を見る機会を得ている。しかし、それは適切な環境を整えられた場所での視聴であり、一般的な環境で3Dテレビの映像を見るのは初めて。この違いは案外重要だ。
まず、パナソニックの場合に気になるのが、照明のフリッカー(チラつき)。これはアクティブシャッター型の3Dメガネが交互に左右のレンズの開閉を行なうとき、照明の点滅速度と干渉して照明がチラチラと明滅して見えること。3D映像の迫力に感激して、前のめりで見ているときは気にならなかったが、普通にテレビを見るように視聴していると、テレビ以外の周辺の背景がチラチラと明滅しているような気になり、一度気付くとどうしても気になってしまう。
これを解消する方法は、照明を消すこと。3Dコンテンツは今のところ特別なコンテンツだし、視聴時には3Dメガネを必要とする。そのついでに照明も消して映画館のような環境にしてしまえばいい。
もうひとつの方法は、インバーター付きの照明や白熱灯に変えること。インバーター式の照明ならば点滅の速度がより速いため、フリッカーの影響はほとんどなくなる。最近注目されているLED電球でも、インバーター付きとそうでないものがあるので購入時は注意が必要だ。
これらの問題を解決してしまえば、3Dの映像はリアルな立体感と奥行きを感じさせ、従来の2Dソフトとは別次元の臨場感が味わえる。おすすめは、高画質コンテンツの「グランドキャニオン」の映像で、冒頭の機関車のシーンでは、動輪やシャフトが複雑に組み合わされた車体に潜り込んだような感覚で、そのパーツの組み合わされ方が手に取るようにわかるし、渓谷の川下りのシーンでは、画面から飛び出してくる激しい水しぶきを浴びてずぶ濡れになった体験ができる。
3D版「鉄腕アトム」こと「アストロボーイ」は、劇場公開された3Dタイトルのため、3D映像らしい飛び出す迫力が随所に盛り込まれていて、「これぞ3D!」という迫力が味わえる。「ファニーフレンズ」は、家の中で少女がペットなどと遊んでいる映像で、3Dらしい飛び出す映像にギミックもあるが、それ以上にわりと見慣れた家の中の距離感や広さ感が驚くほどリアルに伝わる点に感心した。
「ローマ~永遠の都~」は、ローマの観光地を撮影したドキュメント風の映像で、冒頭部分の映像で疑似3Dのような不自然さを感じたが、基本的にははったりやギミックのない自然な映像で、建物の立体的なディテールや街並みの見たままの奥行き感が見事。
一方、おたのしみコンテンツの方は、レースや自然や街並みなどのドキュメント映像、水中撮影を収めたもので、3Dらしい効果があまり感じられないものもある。おそらくは3Dの撮影方法や、3Dと相性の良いコンテンツを検討するために撮影された映像のようだ。3Dの立体感や奥行きは感じるものの、それ以上の迫力や臨場感を伝えるには、カメラアングルや撮影方法にも工夫が必要であることがわかる。
不満があるとすれば、映像の時間がどれも短く、あっという間に視聴が終わってしまうこと。それぞれの映像のクオリティは高いものの、どうしてもすぐに見飽きてしまう。購入後、3D放送や3Dソフトが始まるまで、このソフト1本でしのぐには物足りない印象。早くこのクオリティーで、本格的な3D映画が見たいという飢餓感もある。
なお、これらの3Dソフトをハイフレーム撮影対応カメラで240fps(4倍速)と1000fpsで撮影してみた動画も用意した。240倍速の方では、右左の映像をきちんと書き分けている様子がはっきりと確認できる。
240fpsで撮影
1000fpsで撮影
さらに1000fpsの方では、左右の映像の書き分けだけでなく、時分割で映像を表示(単位時間当たりに画素を高速で点滅する量で明るさを再現する方法)していることまでわかる。さらに言えば、画面の上と下の両方から描画を行なうデュアルスキャンの様子まで確認できる。
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